<FRF'05>ザ・ミュージック、大会場に映える成長

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'02年のデビュー以来、わずか4年で3度目のフジロック。そして、21歳の若さにして早くもグリーン・ステージの夕方の登場。これらは、ザ・ミュージックの日本における熱狂的な人気を改めてうかがわせる。だが、それが本国イギリスをはじめとした海外での状況を勢い凌駕しがちなために一部で“次のビッグ・イン・ジャパン候補”との呼び声もないわけではなかった。僕も彼らの持っている、世界的に見ても唯一無二の資質は大いに評価しつつも、その点についてはやや心配もしていたのだが、この日のライヴはそれがただの杞憂であることを証明した立派なものだった。

青くささと勢いと才能だけにまかせていたデビュー当時から比べると随分と成長したと思う。ロブのハイ・トーン・ヴォイスは大会場を説得するだけの表現力が出て来たし、つんのめり気味だったフィルの4つ打ちドラムも正確さを増してきた。ただ、それ以上に目立ったのはアダムとスチュのギター&ベース・コンビのハード・ロック色を増したスケール感溢れる演奏。グルーヴのボトムを太くした力強い演奏は、グリーン・ステージのような巨大会場にこそ映えるものとして成長。彼らにしてみれな、ようやく“気力”に“実力”が伴ってきた。そんな感じなのだろう。

だが、それ故に今回のライブは過去になく賛否両論も渦巻く結果ともなった。いわゆる“UKロック新世代ファン“からすると今の彼らはあまりにもアリーナ・ロック的過ぎるのだろう。だが、アダムのハードロック的ドライヴィンなギター・リフやドラマティックなメロディ展開を考えたら、いわゆる“ストロークス以降のインディ・ロック・バンド”の一群にいるよりは、ミューズやクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ、マーズ・ヴォルタのような“21世紀の異形ハード・ロック“として資質を伸ばした方が将来的には良いのでは。そんなことを「Bleed From Within」のパーカション乱れ打ちのカオティックなエンディングを見ながら考えたりもした。

取材・文●沢田太陽
Photo/Barks

THE MUSIC
2005/7/29 GREEN STAGE

Take The Long Road And Walk It
The Truth Is No Words
Freedom Fighters
Cessation
Welcome To The North
I Need Love
Too High
The People
Getaway
Disco
Bleed From Within

BARKS夏フェス特集2005
https://www.barks.jp/feature/?id=1000010016
FUJI ROCK FESTIVAL '05特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000001735
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