<FRF'05>ザ・ブレイヴリー、強烈80'sキャラに賛否両論!?

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昨年秋のデビュー前から“2005年最大の新人“と注目され続けていた、ニューヨーク出身の話題の5人組エレ・ポップ・バンド、ザ・ブレイヴリー。だが、そのカゲでキラーズのブランドン・フラワーズから「僕たちの成功に付け込んでデビューした売れ線狙い」とバッシングされるなど、その存在意義をいぶかしがる声も同時にもあがっていた。

と、デビュー早々、賛否両論が沸き起こっている注目の彼らがフジロックでとうとうそのベールを脱ぐこととなった。

この注目の男たちは良くも悪くもとにかく強烈だった。ヴォーカリストはネイヴィー・ジャケットに身を包む、長身のゴスメイクの男。その隣にはエルヴィス・プレスリー気取りのリーゼントのテッズが80’s風アイメイクのベーシスト。「何だこりゃあ」と聴衆がそのルックスに驚く余裕を与えることなく、彼らはピコピコ・シンセ満開のポップ・ソングを安定感に欠ける荒削りな演奏で勢いで聴かせる。そしてそこに、ヴォーカリストのサム・エンディコッティが長いマイク・スタンドを振り回し、モニターに足をかける熱唱を聴かせる。その声はU2のボノやザ・スミスのモリッシーを意識しているようだが、どうやらまだ声量的にはまだ小さいようだ。この妙に濃い光景を前に、聴衆側も反応は真っ二つ。熱狂的に踊って反応するものもあれば、「えっ?」と戸惑ってしまうものもあり。それは海外での賛否両論ぶりをそのまんま反映したものであったように思う。

だが、濃いキャラの割に意外と腰が低くてフレンドリーな点と、「An Honest Mistake」や「Fearless」といったヒット・チューンの中毒性の高いメロディの強靱さには素直に感服。まだまだ未完成な部分は多いが、センスは変わり種でこそあるが天然でかつピュアであり、楽曲センスやポップさの点でもかなり非凡。今騒ぐのも良いが、このラフな素材が後年どう生きるかの方がむしろ楽しみだ。

取材・文●沢田太陽
Photo/Barks

The Bravery
2005/7/30 RED MARQUEE

BARKS夏フェス特集2005
https://www.barks.jp/feature/?id=1000010016
FUJI ROCK FESTIVAL '05特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000001735
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