<FRF'05>ザ・ポーグス、よりヘロヘロになって帰ってきた!

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1stアルバムの頃から愛聴し、現役時代のライヴも見ている者としては、もちろん今回の再結成はとてもうれしい。でも、気になることもある。それは「シェーン・マクゴーワンは本当にもう大丈夫なのか」ということ。酒まみれだったヴォーカルのシェーン・マクゴーワンがリタイアする形で脱退した後、元クラッシュの故ジョー・ストラマーが加入してバンドは一瞬続いたものの、やはりポーグスはシェーンがいなきゃはじまらない。

そんな思いを胸に抱いていたのは私だけではなかっただろう。しかし、シェーンは戻ってきた。愛すべきアイルランドの仲間達と共に。アイリッシュ・トラッド・パンクの雄=ザ・ポーグス、ウェルカム・バックである!
か、変わらない。それどころか、かつてよりロレツがまわらなくなってきている。それが、シェーンがマイクに向かって歌い始めた時の印象。でも、これこそがシェーン。これこそがポーグス。やんちゃで破れかぶれで自己破滅的で、でも、どこかしら愛嬌があって諧謔味もある。バンジョーやマンドリンなどを巧妙に取り込んだバックの演奏は相変わらずお見事。アイリッシュ・パブでギネスでも一杯ひっかけて楽しんでいるような、陽気でちょっとセンチメンタルなムードを醸し出してくれる。

けれど、シェーンは「ダーティー・オールド・タウン」「サリー・マクレナン」など初期のお馴染みのナンバーを味わいたっぷりにこなすものの、体力がキツいのか1曲歌ってはステージ袖に引っ込む始末。ベテランのフィリップ・シェブロンの方がよっぽど元気だったりする。それでも、アンコールのラストではお待ちかねの「フィエスタ」を披露し大団円。ヘロヘロながらもなんだかんだで最後には馬力を出すシェーンのパンク根性にこっちはお手上げという素晴らしいステージだった。ロック系のクラブですっかりスタンダードになっているからか、それともジョー・ストラマーの影響か、前の方には若いルード・ボーイたちでいっぱいで、全盛期のライヴの雰囲気を知っている者としてはやや違和感があったが、それもまた時代の進化。このままの勢いで新作の録音、なんてのを実現させてほしい。

取材・文●岡村詩野
Photo/Barks

The Pogues
7/29 WHITE STAGE

1. ストリーム・オブ・ウィスキー
2. 堕ちた天使
3. 思い出のシャノン
4. ネッドの丘
5. ターキッシュ・ソング
6. レイニー・ナイト・イン・ソーホー
7. リピール・オブ・ザ・ライセンシング・ロウ
8. サリー・マクレナン
9. ブラウン・アイの男
10. セイリング~海を渡る幾千人
11. ボディ・オブ・アメリカン
12. ダーティ・オールド・タウン
13. ボトル・オブ・スモー
14. 回想のロンドン

15. スター・オブ・カウンティ・ダウン
16. フィエスタ

BARKS夏フェス特集2005
https://www.barks.jp/feature/?id=1000010016
FUJI ROCK FESTIVAL '05特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000001735
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