<FRF'05>ビーチ・ボーイズ、やっぱりラストはSurfin USA!

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“夏の王様”として、ロック史にその名を燦然と残すビーチ・ボーイズがフジ初登場。本来ならかなりの話題のはず。だが、現在バンドの中心にして稀代のクリエイター、ブライアン・ウイルソンはソロ名義で自身の伝説を継続中。今やビーチ・ボーイズはメンバーの死去やバンド内のいざこざなども祟り、黄金期のメンバーと言えるのはマイク・ラヴとブルース・ジョンストンのわずか2人だけ。「これでビーチボーイズと言えるのか?」などと冷ややかな意見もないではなかった。しかし、そこはさすがに“夏の代名詞”、サマー・フェスを盛り上げる才能は枯れていなかった。

冒頭、いきなり「Do It Again」という60’s前半の絶頂期から外れた曲でスタートしたのはやや意外だったが、しかし、それが過ぎると、ここからはもう誰もが知ってるサマーソングのオン・パレード。「Surfer Girl」「Help Me Rhonda」「I Get Around」……。時折、“「Don't Worry Baby」の肝の綺麗なファルセット、上手に歌ってるけど、この見覚えのない人は一体誰なんだろう?”だとか“『Good Vibrations』やら『Pet Sounds』の曲をブライアン・ウイルソン抜きでやるのは反則だろ”だとか“マイクはサポート・メンバーに任せずに、もっと歌ってよ”というツッコミどころは随所にあったものの、幸いにしてビーチ・ボーイズのメンバーの存在自体がそれほど一般認知されていないこと、そして、楽曲そのものの普遍的な美しさがマイナス面をポジティヴに埋め合わせてくれたおかげでとにかく無条件に楽しめる。

聴衆もビーチ・ボーイズの孫世代ぐらいのファンも随分と多かったが、誰もが理屈抜きに楽しめたのは素晴らしかった。アンコールでもエディ・コクランの「Summertime Blues」など、“アンタたちがそれやったら、みんながオリジナルと勘違いするだろ”とツッコミたい瞬間もありつつ、「Surfin USA」でお約束の大団円でハッピーに締めくくった。やっぱり“永遠の定番”っていいものだ!

取材・文●沢田太陽
Photo/Masanori Naruse

The Beach Boys
2005/7/31 GREEN STAGE

BARKS夏フェス特集2005
https://www.barks.jp/feature/?id=1000010016
FUJI ROCK FESTIVAL '05特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000001735
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