<FRF'05>ザ・フューチャーヘッズ、鋭角的かつメロディアスなパンク

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フランツ・フェルディナンド、キラーズ、シザー・シスターズ、レイザーライトなど、未曾有の新人ラッシュに湧いた2004年において実は最大のダークホースがこのフューチャーヘッズだ。昨年の秋に本国でデビュー・アルバムがリリースされた際の反応こそ地味だったが、その80’sのポスト・パンクを彷彿させる鋭角的かつメロディアスなパンクは徐々に評判を呼び、年末には各音楽誌のベスト・アルバムに続々選出。年が明けた今では、ミュージシャン仲間からもっとも支持されるバンドのひとつとなった。

そんなこともあり、彼らは今回のフジでも注目のアクトであったが、フューチャーヘッズはその期待以上のものを日本のロック・ファンにアピールした。ステージに上がった4人は全員黒の襟付きシャツ。この知的な雰囲気が、ストロークスやフランツ以降の今のロックらしくてまず良し。

そして、この風貌から彼らは、ささくれだったギターのエッジと変幻自在の三声コーラスと共に、3分以内にコンパクトにまとまった実にメロディックな楽曲をCD以上にアグレッシヴに畳み掛ける。ドラムの扇情的なドカドカ・ドラムにも煽られて、聴衆はのっけから刺激されっぱなし。CD店を中心に輸入盤の時点からよく売られていた彼らのデビュー・アルバムはすでにここにいるリスナーには浸透していて、どの曲でも頻繁に合唱が起こる。そのリアクションの熱いこと!

まだ、人数としてはそこまで多くはないのかもしれないが、もう日本でもフューチャーヘッズの繰り出すサウンドこそが“次世代のリアル・パンク”として望まれているような、そんな雰囲気さえ伝わってくる。ストロークス以降のいわゆるニュー・ロック系のファンだけではなく、これは近年のキッズに媚びて大量生産されがちなポップ・パンクに飽きはじめたパンク・キッズの心をも掴む可能性大。と言うことで、長い目で見て、これは時代の変節をも予見させる重要な意義をも持ちうるかも。

取材・文●沢田太陽
Photo/Barks

THE FUTUREHEADS
2005/7/31 RED MARQUEE

AREA
THE CITY IS HERE
ROBOT
A TO B
MEANTIME
ALMS
DANGER OF THE WATER
DECENT DAYS AND NIGHTS
STUPID AND SHALLOW
FIRST DAY
HE KNOWS
HOUNDS OF LOVE
CARNIVAL KIDS
MAN RAY
PIECE OF CRAP

BARKS夏フェス特集2005
https://www.barks.jp/feature/?id=1000010016
FUJI ROCK FESTIVAL '05特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000001735
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