<SUMMER SONIC 2005>BUCKCHERRY、パワフルでエネルギッシュなステージで再スタート

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オレンジ・レンジの演奏が終わったマリンスタジアムでは、観客の大移動が始まった。かなりの人数が退場口に向かったが、同時にそれ以上の人数がアリーナの前方へと押し寄せてきた。今年に入って再始動がアナウンスされたばかりのBUCKCHERRY、それもオリジナルメンバーのジョシュとキースに3人の新メンバーが加わったこのラインナップでの、世界初のライヴに期待を寄せるファンがいかに多いかということだろう。午後2時を回ったアリーナは、炎天下にもかかわらず前方ブロックはすでにすし詰め、さらにスタンドから続々と人が降りてくる。そんな中、新生BUCKCHERRYの初ライヴが始まった。

BUCKCHERRYとしては数年ぶりとなるライヴだけに、以前のナンバーがどんなふうに演奏されるのかという期待も高まったが、1曲目「SO FAR」、2曲目「BROKEN GLASS」と、すでにレコーディングが完了しているという新譜の曲が続く。すでにネットで公開されていた新曲もあったけれど、初めて聴くファンは多かったはず。それでも客席は“よく帰ってきてくれた”という歓迎ムード一色で、冒頭から異様な盛り上がりを見せていた。

ジョシュの調子はよさそうで、巨大なスタジアムに声がよく通っていた。全身のタトゥを誇示するように上着を脱ぎ捨て、シャウトしまくる姿にはやはり存在感がある。ハイトーンシャウトはまるでスティーヴン・タイラーばり(顔もよく似ている!)だ。テンガロンハットをかぶったキースもよく動き回っていて、ステージ前端まで降りてきては客席をあおる。数年間のブランクをまったく感じさせないどころか、はるかにパワフルになって帰ってきたようだ。

3人の新メンバーは、ルックスでもテクニックでもオーディエンスを魅了した。ジョシュとキースがもともとタトゥつながりで知り合ったのは有名な話だが、新ギタリストのスティーヴィの身体にもタトゥがびっしり。レスポールを低く構えた姿も、まさにバッドボーイズR&Rの見本のよう。リズムもソロもビシビシ決まっていて、ちょっとルーズなキースとは好対照だが、2人のコンビネーションはばっちり息が合っていた。リズムセクションは歪んだ図太い音のジミーと、長髪を振り乱してパワフルにドラムを叩くエグザヴィエール。バンド全体のグルーヴが以前より図太く強烈に感じるのは、この2人のサウンドが大きいはず。すべてノリノリの曲だけれど決して軽くない。低い重心でぐいぐい突き進んでいくような力強さがある。

セットリストのうち半分くらいは新しい曲だったが、AC/DCのような躍動感あるリフ、ガンズ&ローゼスのようなブルージーでストレートなR&R、ポップで覚えやすいメロディ、そしてジョシュのシャウト。BUCKCHERRYらしい曲ばかりだから、以前の曲と並べてもまったく違和感がない。ちょっとファンキーな「CRAZY BITCH」や軽快な「NEXT 2 YOU」などはとくにノリがよくて、今後彼らの代表曲になりそうだ。

最後は「SLAMIN'」そして「LIT-UP」で締めたこの日のライヴ、とにかくエネルギッシュでパワフルだった。実に楽しそうに、いきいきと動き回っていたジョシュとキースの姿からは、新生BUCKCHERRYのライヴをもっとも心待ちにしていたのが、ほかならぬ本人たちだったこともよく伝わってきた。ここマリンスタジアムから再スタートをきったBUCKCHERRY、今後の暴れっぷりも見ものだ。

取材・文●田澤仁

BUCKCHERRY
2005/08/14 MARINE STAGE

01.SO FAR
02.BROKEN GLASS
03.FALL
04.RIDIN'
05.ONSET
06.DEAD AGAIN
07.FOR THE MOVIES
08.CRAZY BITCH
09.NEXT 2 YOU
10.SLAMIN'
11.LIT-UP

BARKS夏フェス特集2005
https://www.barks.jp/feature/?id=1000010016
SUMMER SONIC 2005特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000010617
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