<SUMMER SONIC 2005>ファイトスター、確実な存在感、重圧な演奏

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真冬の解散から7ヶ月、チャーリー・シンプソンが新鋭ファイトスターに全力を投じ、真夏のステージに立った。

8/14の幕張のMOUNTAIN STAGEでは、ヘヴィロック・ファンからインディ・マニア、また、手持ちぶさたの夏フェスキッズ、そして、もちろんバステッドの、といよりはチャーリーを目当てにしたファンといった、異種の観客が混在し、4人を待っていた。

予定時間を僅かに過ぎた頃、メンバーが登場、歓声が上がる。チャーリーはその大人気もさることながら、物理的にも巨大だ。バステッド時代にも他のメンバーより頭ひとつ飛び出ていたが、サイドのアレックス、ダンと比べても、歴然としている。それ以上に、圧倒されたのが、彼の分厚いスクリームだ。ツイン・ヴォーカルをとるアレックスとの兼ね合いも、後半も疲れを感じさせることなく、重たく突き抜けた。

頑健な肉体が暴れ回る。曲間にギターをチェンジし、渾身の力を込めて振り下ろす。ヘッドがエアを切るたびに、エネルギッシュなオーラが後方のオーディエンスまで飛来する。それはバイオレンスというより、本当に表現したい自由を獲得できたといった感じだ。インディ時代の名曲「Palahniuk's Laughter」では、アメリカの作家が醸し出すシンプルで骨太なリズムをベースにしたはずだが、彼はUKの鬱蒼の中で、ラウドなスクリーモに身を投じたかったのだ。リードトラック「Paint Your Target」がスタートすると、ヴォルテージは最高潮に達した。新バンドをサポートする新ファンの誕生なのか、一部の観客の間で微妙に不慣れなモッシュが起こる。

バンドはラストに「Lost Like Tears In Rain」を演奏、30分ほどのステージに幕を閉じた。よりヘヴィでダーティなショウを期待したファンには、少し物足りなかったかもしれないが、確実な存在感を見せつけた彼らは今後、さらなる進化を遂げ、近く再び重圧な演奏を聴かせてくれるに違いない。飛び立ったばかりの彼らにポジティヴな未来を予見したギグだった。

取材・文●T.Kimura
Photo●SUMMER SONIC / SUMIE

FIGHTSTAR
2005/8/14 MOUNTAIN STAGE

1. Speak Up(EP収録)
2. Hazy Eyes(未発表)
3. Paint Your Target(EP収録)
4. Palahniuk's Laughter(EP収録)
5. Covered and Coarse(未発表)
6. Until Then(未発表)
7. Mono(EP収録)
8. Lost Like Teas In Rain(EP収録)

BARKS夏フェス特集2005
https://www.barks.jp/feature/?id=1000010016
SUMMER SONIC 2005特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000010617
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