ベイビーフェイス、超プレミアライヴのライブレポート&メッセージ映像!

ツイート
世界中で絶賛されている最新アルバム『グロウン・アンド・セクシー』で、未だスーパー・ヒット記録中のベイビーフェイス。そんな彼が、アルバムのプロモーションのため来日し、15日、完全招待制イベントを開催した。そんな超プレミアムなライヴのレポートと、ベイビーフェイスからビデオ・メッセージをお届け!

■9月15日 都内にて

今や「R&B界のトップ・プロデューサー」と言うより、「音楽界の大重鎮」のイメージの方がしっくりと来るようになったベイビーフェイス。かつて、バート・バカラックやデヴィッド・フォスターなどがそうなったように、むしろ音楽にうるさいアダルト層を唸らせる“渋み”で勝負する人になったものだと思っていたが、この日の彼もそんな“貫禄”に満ちあふれていた。ステージに並べられたのは、アコースティック・ライブ用の生楽器の数々。この時点で既にR&Bもロックも関係ない普遍的な雰囲気に満ちていたが、ベイビーフェイス本人がステージ中央に腰掛け左手でアコースティック・ギターを弾きだすと、その印象はより確かなものとなった。

元来、R&Bの中でもオーガニックなメロディを書ける人ではあったが、一曲目に披露された最新アルバムのタイトル曲「Grown&Sexy」はこれまで以上に温かな深みと繊細さを加えていた。2曲目からはいきなり、ベイビーフェイス自身が90年代にソロとして飛ばしたヒット・ チューンを披露。「Everytime I Close My Eyes」、そして僕が個人的に彼のベスト・トラックだと思っている「Never Keeping The Secret」といった名バラードは、レコーディングされたヴァージョン以上にコシの強い、良い意味で粘っこい、歌心溢れるものとなった。ただ、ベイビーフェイス本人的に思い入れがあったのは、その次に演奏した「The Day」。「これまで『あなたが作った曲で最高傑作はなに?』という質問があったら答えられなかったんだけど、この曲が出来て以降はずっとこれなんだよね」と語って歌ってくれたのは『The Day』。長男の誕生を喜んだ96年のナンバー。元来、細い声質の彼だが、この曲ばかりはかなりの熱唱モードだった。

続いてここからは、他のアーティストに提供してヒットしたナンバーを数曲。最初に披露したのは、After 7が90年にヒットさせた「Ready Or Not」。After 7とは、ベイビーフェイスの兄ケヴォン・エドモンズが率いたヴォーカル・グループだが、さすがはスペシャル・ ライヴと銘打たれたこの日のこと、なんとケヴォンがいきなりステージに登場。これには、かなりのベイビーフェイス・ファンが集まった会場も思わずどよめいた。そしてケヴォンとベイビーフェイスはそのまま、ボーイズIIメンのビッグ・ヒット「End Of The Road」と「I’ll Make Love To You」を二人で熱唱。パワフルなケヴォンとスィートなベイビーフェイスとの掛け合いは絶妙だった。そして、この後、ソロ初期のヒット曲「Whip Appeal」を披露した後に再びサプライズが。おそらく、この日つめかけたほとんどの人が期待していたであろう、エリック・クラプトンに提供して大ヒットした、おそらくはベイビーフェイスでもっとも有名な曲「Change The World」。この曲をやる前にベイビーフェイスが「ゲストを迎えたいんだ」とひとこと。登場したのは、なんとChemistryの二人が! 会場にはJ-Popファンらしき人は少なく、登場した際の反応もケヴォンが出て来た時よりやや驚きの声が大きかった程度ではあったが、しかし、洋楽ファンがこういう場でよくやってしまいがちな冷ややかな態度もなく、温かい声援と拍手でChemistyは迎えられた。二人はベイビーフェイスを前に恐縮と緊張の面持ちながら清清しく「Change The World」を熱唱。好感の持てる内容だったと思う。

Chemistyr退場後は、いよいよラスト。最後にベイビーフェイスは“究極のレディ・キラー”ぶりを発揮。「なんでも、日本人の男性は奥さんや恋人と喧嘩した時に謝るのをためらうらしいじゃないか。でも、僕はそんなことはしないよ」と、あたかも女のコを口説き落とすようなMCで最新シングルの『Sorry For The Stupid Things』を披露。そして、アンコールでは、彼のソロでの最大ヒット曲であり、これまた女性泣かせの「When Can I See You Again」でしっとりと幕を閉じた。もはやR&Bと言うより、ノリ的には、どこかかつてのアーバン指向なAORに限りなく近くなって来た(もともとその気はあったが)ように思えたが、40歳を過ぎたアーティストの円熟としては良い形だと思うし、ましてやR&Bから良いメロディが少なくなって来た昨今。まだ、この重鎮の力は必要だなと、改めて思った一夜だった。

取材・文●沢田太陽

ビデオ・メッセージはこちら!
https://www.barks.jp/watch/?v=1&id=1000007835
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス