ジョン・レノンの遺志を継いだ邦楽アーティストらのイベントが、開催5年目で目標達成

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10月7日、日本武道館にて<Dream Power ジョン・レノン スーパーライブ2005>が行なわれた。ジョン・レノンの没後25年、生誕65周年となる今年。5回目を迎えたこのライヴは、彼の遺志を継いだオノ・ヨーコの呼びかけにより、彼を敬愛する日本のアーティストたちが一堂に会し、世界中の貧しい国々の子供たちのために、学校や教育に必要な教材、文房具などを贈ることを目的としたチャリティ・イベントで、これまでに49校を設立しており、今年の収益金で、目標としていた50校目が建つことが決定している。

今年の出演者は、忌野清志郎、奥田民生、小柳ゆき、曽我部恵一、BONNIE PINK、PUFFY、小泉今日子、LOVE PSYCHEDELICO、YOSHII LOVINSON、宮本亜門ら、錚々たる顔ぶれ。そんな豪華なメンツが代わる代わるヴォーカルをつとめ、「Twist And Shout」や「Mr.Moonligth」などロックの名曲たちを披露した“ロックンロール・メドレー”で幕を開けた。続くそれぞれのアーティストのソロ・コーナーでは、このイベントの常連でもある奥田民生がリッケンバッカーを持って登場。「中古で買ったときから、ここ(ボディの部分)にビートルズの武道館公演のセットリストが書いてありました」という愛器のエピソードを披露した後、「A Hard Days Night」をゆる~いながらも貫禄のある演奏で聴かせる様はさすが! 

そして、ジョンの誕生からヨーコとの出会い、平和活動、そして'80年、凶弾に倒れるまでの生涯を紹介したヒストリー映像の上映を挟み、9.11テロや原爆雲の写真を使い「これは正しいことですか?」と問い掛ける宮本亜門によるサゼッションは、今こうして平和な環境でコンサートを観ていられることの幸せさと、その真逆にある現実を突きつけられた瞬間でもあった。

このライヴの翌日に39歳の誕生日を迎えるというYOSHII LOVINSONは、ジョンが自分と同じ年齢だった頃に制作した『ダブル・ファンタジー』に収録されている「I'm Losing You」「Woman」「(Just Like)Starting Over」の3曲を披露。「“男の本当の成功は、女性を幸せにすることだ”なんてことをサラッと言えるジョンは、やっぱりカッコイイですね」と、一人の男としての生き様にも感銘を受けている様子が印象的だった。ちなみに、この日がYOSHII LOVINSONとしての最後のステージで、今後は本名の吉井和哉として活動していくことも発表していた。そして小泉今日子の朗読「世界が100人の村だったら」「Imagine」に続き、忌野清志郎が登場。アコギの弾き語りによる「Nowhere Man」の後、清志郎オリジナルの日本語詞で披露された「Mother」と「Imagine」は、歌のエネルギーをダイレクトに訴えかけるようなの渾身のパフォーマンスであった。

そしてライヴ終盤。5年目にして初のパフォーマンスを披露したオノ・ヨーコが、ドメスティック・バイオレンスに苦しむ女性の姿と、大国が小国を武力で制圧する様を重ね合わせた「I Want You To Remember Me」を、鬼気迫る歌唱とアクションでオーディエンスの心に焼き付け、最後は、来場者全員に配られたフラッシュライト(懐中電灯)を使用して、モールス信号にヒントを得た光のアート・パフォーマンス“ONOCHORD”を会場全体で行なった後、出演者全員による「Mind Games」「Happy X'mas」「Imagine」のセッションで幕を閉じた。
文●望木綾子

■邦楽アーティストによるジョン・レノン トリビュート・アルバム
『HAPPY BIRTHDAY,JOHN』
2005年 9月30日発売
TOCT-25899 \3,000(tax in)
1. Oh My Love / 100s
2. Yer Blues / 椎名林檎
3. Beautiful Boy(Daring Boy) / DREAMS COME TRUE
4. Happy X'mas(War Is Over) / 槇原敬之 試聴できます
5. Hey Bulldog / 奥田民生
6. God / 宮沢和史
7. Lucy In The Sky With Diamonds / PUFFY
8. Tomorrow Never Knows / ナカコウ
9. Love / フジファブリック
10. Revolution / BONNIE PINK
11. Woman / SAKURA
12. Don't Let Me Down / 忌野清志郎&仲井戸麗市
13. Mother / Acid Test
14. In My Life / 高野寛
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