クイーン、感動に次ぐ感動の来日コンサート

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クイーンは日本人にとって特別なバンド、日本はクイーンにとって特別な国。そういう思いを抱いているファンは多い。そう、それも40歳代以上のファンだ。デビューの時にクイーンを最初にロックスターとして認めた日本人は、それを誇りに思っている。その日本での人気をキッカケに、クイーンは世界でトップのバンドとして上り詰め、素晴らしい作品を次々に生み出し、今日までずっとファンを楽しませ続けている。

フレディの死がファンにもたらした悲しみと絶望は、2005年のいまになってもまだ癒えることがなく、今回の来日コンサートも、元バッド・カンパニーのポール・ロジャースがヴォーカルを務めるということに違和感を抱いていた人も多かった。10/26にさいたまスーパーアリーナでコンサートを観たファンは、フレディがいなくてもクイーンの音楽は楽しむことができると感じると同時に、より一層、フレディのいない悲しさを感じたことだと思う。

コンサートは、ヒット曲の連続で始まった。演奏はどこをとってもロジャーの音とブライアンの音。しかし、ポールの存在感はさすがで、フレディとはまったく違う個性で楽曲を引っ張っていく。それにしても、クイーン楽曲の持つ独自性、そして魔力は特別なものと感じる。スーパーアリーナは、クイーンだけが醸し出しうる空気に包み込まれていった。

前半のハイライトは、観客席に突き出したセンターステージで、ブライアンがギター1台で歌うシーンだ。「'39」そして「ラブ・オブ・マイ・ライフ」では、観客に最大限歌わせ、アリーナ中にコーラスが響く。そして“日本だけで特別にこの曲を”というMCから始まったのは「手をとりあって」。観客のすすり泣きと歌声が混じり、感動がアリーナ全体を包み込む。

中盤から後半にかけても、もちろん大ヒット曲が次から次へ繰り出される。ドラムソロから続いた「アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カー」は今回演奏した中で最も古い作品。当初からのファンは、イントロだけで“ウォー”と雄たけびを上げ、ロジャーとともに歌う。ギターソロを挟んで「RADIO GAGA」のサビでは、おなじみの手拍子と腕を広げて伸ばすポーズで観客が沸きまくる。

そして、なんとバッド・カンパニーの名曲「キャント・ゲット・イナフ」が! ポールのことをよく知らないファンはキョトンとしていたが、これぞバドカン最大のヒット曲。世界を席捲した名曲が演奏された。'70年代を知るファンは大盛り上がりで、ここからは終盤。「アイ・ウォント・イット・オール」でハードロックバンド、クイーンのへヴィネスを味わって、最後の曲「ボヘミアン・ラプソディ」へ。ステージ後方のスクリーンに映されるのはフレディがピアノで弾き語る姿。フレディの声と実際の演奏がシンクロして、まるでフレディがここにいるかのような錯覚に陥る。うれしいファンサービスだ。“ママー・ウーウウウー”の部分では、この夜最高の観客のコーラスが場内を覆い、涙を流しながらスクリーンを見つめるファンの姿が感動的だった。

アンコールはアコギで歌う「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」、そしてフレディなき今でもショーは続けなければならないという意味にすら感じる「ショー・マスト・ゴー・オン」、そしてフリーの名曲「オール・ライト・ナウ」を経て、聞こえてきたのは“ドンドンチャ”のリズム。客席全体が手拍子+手を伸ばすポーズでドラムのロジャーに答える。その熱狂のあとに控えていたのが、実質的にこのコンサートのラスト曲である「伝説のチャンピオン」。サビのコーラス部分では、揺れる腕が波のようにアリーナを埋め尽くし、そして大英帝国を称える「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」で、すべてのプログラムが終了した。

コンサート前には、フレディのいない状態での“クイーン”のコンサートを不満に思う人もいたかもしれない。しかし、ブライアンやロジャーが、“フレディのコピーではなくクイーンを歌える男”を起用したことを尊重したいと、コンサート後に考え直す人は多かったのではないだろうか。それほどポール・ロジャースのパフォーマンスや歌唱は魅力的だったし、決してクイーンの世界観を損なうものではなかった。

クイーンがくれた最大のプレゼント。それが今回のコンサート。このコンサートを体験した人は、これからも、クイーン三昧の音楽生活を送るのだろう。

●2005.10.26 さいたまスーパーアリーナ

01.リーチング・アウト
02.タイ・ユア・マザー・ダウン
03.ファット・ボトムド・ガールズ
04.地獄へ道づれ
05.愛という名の欲望
06.バッド・カンパニー
07.セイ・イッツ・ノット・トゥルー
08.'39
09.ラヴ・オブ・マイ・ライフ
10.手をとりあって
11.ハマー・トゥ・フォール
12.フィール・ライク・メイキン・ラヴ
13.ドラム・ソロ
14.アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カー
15.ギター・ソロ
16.ラスト・ホライズン
17.輝ける日々
18.RADIO GAGA
19.キャント・ゲット・イナフ
20.ウィッシング・ウェル
21.アイ・ウォント・イット・オール
22.ボヘミアン・ラプソディ

EN01.ボーン・トゥ・ラヴ・ユー
EN02.ショー・マスト・ゴー・オン
EN03.オール・ライト・ナウ
EN04.ウィ・ウィル・ロック・ユー
EN05.伝説のチャンピオン
EN06.ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン

Photo by Shannon Higgins
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