アンセム、デビュー20周年ライヴ完全レポート

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数々のメンバーチェンジを繰り返し、一度は解散したものの2001年に復活、
以前にも増して精力的に活動しているANTHEM。今年はデビュー20周年にあたる。

7月に行なわれた「ANTHEM 20th Anniversary Tour 2005」ツアーには
ANTHEMの歴代メンバーが参加、20年にわたるANTHEMの歴史を
垣間見られる貴重なものとなった。

中でも彼ら自身が“聖地”と呼んで特別な想いを寄せる川崎CLUB CITTA'では、
この日だけの特別なセットリストが組まれ、内容の濃いスペシャルなライヴを見ることができた。

ANTHEM 20th Anniversary Tour 2005
05/07/23 @川崎CLUB CITTA'
(セットリストは、DVDの曲目と同一)

この日、開場直前に首都圏を襲った震度5の地震の影響で、開演時間は予定より1時間遅れとなった。交通機関がすべてストップしたため、開演時になっても客席後方は少し空いている状況だったが、20年間の集大成を見られるという期待感があり、客席はかなり盛り上がっていたようだ。

まずは現メンバーでの第一部が始まった。坂本英三(Vo)、清水昭男(G)、柴田直人(B)、本間大嗣(Ds)の4人がステージに登場するや、鋭いドラムフィルに導かれて「Onslaught」がスタート。のっけからパワーとスピード感に圧倒されそうな演奏だ。メンバー全員のものすごい気合がひしひしと感じられる。坂本は激しく動き回っては客席全体をあおり、向かって左側にはいつものように柴田が全体を見渡すようにどっしりと構え、ボトムを支える。右側の清水は動きこそやや控えだが、その音からはプレイの的確さ、緻密さがよく伝わってくる。数ヶ月前に膝の手術をしたばかりという本間の体調も万全の様子で、バックビートも高速フィルも、とてつもない大音量だ。

サビが印象的な「ETERNAL WARRIOR」、ヘヴィなインストの「Omega Man」、本間が以前在籍していたEZOを思わせる凝ったリズムの「Easy Mother」など、第一部は昨年発売の「ETERNAL WARRIOR」を中心に、10曲をほとんど立て続けにプレイした。

あっという間に第一部は終了してしまったが、お楽しみはこれからだ。第二部はいよいよ歴代メンバーがバンドに参加した順に登場し、それぞれその時期の曲を演奏する。この頃には客席も超満員になっていて熱気が渦を巻いていた。期待の高まる中、福田ヒロヤとMAD大内、それに柴田と坂本というデビュー当時のメンバーが登場。柴田と坂本は、衣装も当時のものを再現したホワイトでバッチリ決め、喝采を浴びていた。このメンバーでは「Victim in Your Eyes」や「Bound to Break」といった高速ナンバーを中心にプレイ。福田の勢いのあるトレブリーなサウンド、そして大内ならではのワイルドな高速ツー・バスが、粗っぽさが魅力だった当時のANTHEMサウンドをすっかりよみがえらせていた。

デビューメンバーでの4曲の後、ヴォーカルのみ森川之雄にチェンジ。このメンバーでは「Gypsy Ways」、「Hunting Time」など、森川ならではの唸るような猛々しいヴォーカルがよく似合う、ヘヴィな4曲を演奏した。森川が加わるだけで、ANTHEMサウンドがより男らしくワイルドに変化するのは印象的だった。

この日は“聖地”川崎ということで、他会場では参加しなかった中間英明も登場した。演奏したのは「Shadow Walk」と「Blinded Pain」の2曲だけだったが、なめらかで流麗なギターソロを披露。音もアクションも歴代ギタリストの中でもっとも大きく派手で、存在感は際立っていた。ギタリストが清水に交代して、解散前の最後のメンバーで超高速ナンバーの「Venom Strike」を演奏、さらに再び現メンバーに戻っての2曲で第二部は終了。

そしてアンコールでは、全員での合同セッションも楽しめた。高音の伸びる坂本と野太い森川のツインヴォーカルや、それぞれ個性の出ていたトリプルギターなど見所も多く、全体の音圧も圧倒的だった。最後には「Wild Anthem」の大合唱。まさに客席とステージが一体となったエンディングとなった。
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