COB、ヘヴィネスさを増したアルバムを引っさげて怒涛の来日公演を敢行!

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前作『ヘイト・クルー・デスロール』でメロデス界の頂点に立った
フィンランド出身のCHILDREN OF BODOM(以下COB)。

5枚目にあたる最新作『アー・ユーデッド・イェット?』ではよりヘヴィに、
よりアグレッシブに進化し、10月の来日公演では有無を言わせぬ
力強いパフォーマンスでオーディエンスを圧倒した。

今回は、COBのサウンドの鍵を握るアレキシ・ライホ(Vo/G)と
ヤンネ・ウォーマン(Key)の二人に、日本でのライヴや新作について話を訊いた。
最新アルバム


『アー・ユーデッド・イェット?』
UICO-1086 \2,548(tax in)
発売中

01.リヴィング・デッド・ビート
02.アー・ユーデッド・イエェット?
03.イフ・ユー・ウォント・ピース...プリペア・ウォー
04.パンチ・ミー・ブリード
05.イン・ユア・フェイス
06.ネクスト・イン・ライン
07.バスターズ・オブ・ボドム
08.トラッシュド、ロスト&ストラングアウト
09.ウィ・アー・ノット・ゴナ・フォール
10.ウップス!...アイ・ディド・イット・アゲイン
11.トーク・ダーティー・トゥ・ミー



メッセージ映像


アレキシとヤンネからのメッセージは
coming soon

──昨日のライヴもすごい盛り上がりだったね。

アレキシ・ライホ(以下、アレキシ):すごく楽しかったし、今回のツアーはすごくうまくいっているね。アーティストの中には、ちょっと遠いところに身を置いてシリアスに音楽をやる人たちもいるけど、オレたちは身近な感じでやりたいし、みんなと一緒になって楽しんでる姿を見せたい。みんなもそういうのを喜んでくれていると思う。手ごたえもあるよ。

ヤンネ・ウォーマン(以下、ヤンネ):来るたびに、ファンがどんどん熱くなってきているのを実感するよ。

──日本の印象はどう?

アレキシ:日本はやっぱり特別な存在。ドイツなんかもなかなか熱いんだけど、日本はもっと熱狂的だし、温かく迎えてくれる。日本のファンはソロをちゃんと聴いてくれるし、ソロをもっと望んでいると思う。だからオレとヤンネのソロの掛け合いも多いしそれぞれのソロも長い。アメリカだとそういう時間を減らして曲をもっと多くやるんだけどね。

ヤンネ:ファンもそうだけど、運営面でもすべてが完璧に進められていて、お世辞抜きで日本が一番だね。

──ステージセットはすごくシンプルだった。アンプやキーボードをたくさん並べたりしないの?

アレキシ:ヨーロッパのツアーでは、ぶっ壊れたクルマをセットに組み込んでた。ヘッドライトもちゃんと点灯するヤツで、その上でソロを弾いたりするんだ。だけど今回は残念ながら持ってこれなかったんだ。でもオレたちはあくまで音で勝負してるから、シンプルなセットで十分だよ。

ヤンネ:オレはキーボード1台で十分ロックできる。それも200ドルのね(笑)。ドリームシアターみたいに巨大なキーボードのセットは必要ないし、あんなことできないよ。

アレキシ:確かにマーシャルを壁みたいに並べるヤツらもたくさんいる。でもアンプ100台で壁を作るなら面白いかもしれないけど、中途半端に10台とか20台並べるくらいなら、シンプルなほうがずっといい。

──ギターは今何を使ってるの? 200ドルのキーボードって?

アレキシ:ギターは前からずっと同じESPで、今は4本使ってる。プリアンプはリー・ジャクソン。これも昔から使ってるやつで、200ドルもしないチープなヤツなんだけど、ホントに音が最高なんだ。

ヤンネ:アレキシはギターをタダでもらってるからいいよな(笑)。オレはエンドースもないから自分で買ってるんだ。200ドルのキーボードもね。メーカーは秘密だけど、ローランドのモジュールが入ってる。ロシアでトロールが作ってるってウワサだよ(笑)。

──ギターはヘヴィさを増すためのドロップ・チューニングだね。

アレキシ:基本はDチューニングだけど、曲によって2パターンのチューニングを使う。でもギターの仕様は全部同じでオリジナルのまま。チューニングで使い分けてるだけさ。ただ弦は011~050という太いゲージのを使ってる。Cにドロップすることもあるんだけど、普通の弦だとゴムみたいにベロベロになっちゃうからね。

──アレキシは怪我したって聞いたけど、具合はすっかりよさそうだね。

アレキシ:今は全然問題ない。見てのとおりさ。怪我したのは去年の12月なんだけど、ホントにバカなことしたと思ってる。酔っ払ってクルマの上に乗っかった。そして顔の右側と右腕で着地して怪我しちゃったんだ。顔はアザだらけだったし、手首のところの骨を3本折った。しばらくはプレイできなくなってリハビリしてたよ。酒に飲まれちゃったんだよな。

──怪我はアルバムの制作には影響なかった?

アレキシ:そろそろレコーディングに入ろうかという時期に怪我しちゃったんで、すべてが1ヶ月遅れになってしまった。でもその程度で済んだのはラッキーだった。レコーディングとミキシングで6週間だったから、結果的にはすごく早く進んだね。

ヤンネ:レコーディングに入ってからはすごくスムーズだったよ。以前のミキサー担当をレコーディングエンジニアとして使うことにしたこととか、最初は不安だらけだったけど、やり始めたらすべてうまくいった。

──アルバムはコンセプトを決めておいたの?

ヤンネ:とくにみんなで話し合ったりしたわけじゃないし、言葉でなにか決めたっていうことはない。

アレキシ:前作はプレイの面でもプロダクションの面でも、自分たちの思い通り、完璧にできた作品だった。それ以上のものを作るのはすごく難しい。だから逆にあまり考えすぎず、ストレスをためないようにした。そうすることで作為的な感じとか、何かに強制されたような要素を排除して、自分たちの気持ちに正直なものを作ろうと思ったんだ。計画的に作ったんじゃなくて、自然な流れの中で生まれてきたアルバムなんだよ。

──以前とは路線が変わったという人もいるけど。

アレキシ:意識してはいないけど、もちろん変化はあるだろう。これまでのアルバムだって、どれも少しずつ変化してるはず。それは変化というより進化なんだよ。変わってしまったって文句を言うヤツらは、どうせ前作のときも、その前のアルバムのほうがよかったって言ってたはずさ。今回のアルバムでは確かに変化があったかもしれないけど、路線変更というわけじゃない。それに、新しいファンもついてきてくれている手ごたえもあるよ。

──アルバムを出すたびに、徐々にヘヴィでアグレッシブになってきているね。


アレキシ:確かにそうだね。言ってみれば、よりエクストリームな方向に進んでいくこと、それこそがCOBの存在意義なんだ。だから何かをやるたびによりアグレッシブになっていくのは当然。それと、今回は速い曲だけじゃなくて、スローな曲でもアグレッシブさを追求した。アグレッシブというのはスピード、テンポだけじゃないというのは、最近とくに意識していることだね。

──現在はローペは正式メンバー?


アレキシ:ずっとサポートしてもらってたんだけど、1年くらい前から正式メンバーになってもらったんだ。ローペはとにかくグレートなプレイヤー、グレートな人だよ。このバンドのメンバーとして求めるものは、プレイはもちろんだけど、人としてどう付き合えるかも重要だから、その意味では最高のギタリスト。ルックスもいいし。オレたちよりちょっと年上で経験も豊富だから、学ぶことも多いね。

──シナジーと同じ二人のギタリストの組み合わせになったわけだけど、どう区別してる?

アレキシ:とくに決めてることはない。オレは両方のバンドで曲を書いてるけど、バンドによって書き分けてもいないんだ。自分の中から出てくるものは同じだからね。でも出てきた瞬間に、その曲がどっちのバンドに向いてるかは直感的にわかる。とくに曲についてもギターについても、区別はしていない。自然にやってるだけさ。

取材・文●田澤 仁
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