1stシングル「ありがとう」に込めた想いを訊く

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2004年9月にミニ・アルバム『秋晴れモノラル』でメジャー・デビューを果たした竹仲絵里。
心の機微を繊細で鮮やかな歌詞で描き、柔らかくも芯のある歌声に乗せて聴き手に届ける。
メジャー1stシングルとなる「ありがとう」は、そうした彼女の
シンガー・ソングライターとしての原点を強く感じさせる楽曲かもしれない。
「ありがとう」という言葉と、その曲に込めた想いを訊く。



「ありがとう」

2005年2月23日発売
COCA-15720 \1,260(tax in)

1. ありがとう
2. 優しい手 震えた手
3. ひとりきりじゃ





「ありがとう」PV




メッセージ映像



地元(神奈川県相模原市)の友達が連れて行ってくれたお店で初めて呑んだんですけど、コレは美味しい! JINROみたいなクセのない焼酎と牛乳を、半々か4対6ぐらいで割るだけです。コーヒー牛乳でもイケそうですね、やったことないですけど。まぁ、JINROは楽しいお酒ですから(笑)。私はそんなにお酒は強くないんですけどね。(^_^;



――曲を作るようになったきっかけは?

竹仲:中学のとき、授業中にノートの空白になんとなくポエムみたいな言葉を書き始めて。最初はけっこうメルヘンチックだったんですけど、だんだん“外側に出せない自分”を言葉にしていくようになって。それがすごく気持ちよくて。でも、友達に見せるのは恥かしいから結局誰にも見せてなくて。それで、この言葉を何かの形で表現できないかなぁって思ったときに、曲をつけてみようと思ったんです。で、高校2年生のときにギターを始めて。

――鍵盤じゃなくてギターだったんですね?

竹仲:ピアノは小学校の6年間やってたんですけど、辞めたときに近所の娘にあげちゃったんで家に楽器が無かったんですよ。それと、やっぱり曲を作るならギターができなきゃなぁと勝手に思ってて(笑)。で、秋葉原で2万円のギターを買って、歌本を見ながら簡単そうな曲をカヴァーして、コードを覚えて。もうとにかく早く自分の詞に曲をつけたかったんです。今でも、詞だけを読まれたりするのはけっこう恥かしいんですけど、メロディと一緒になると不思議と“ちょっと聴いてよ”っていう気持ちになれるんですよね。

――実際に初めて人に聴かせたのは?

竹仲:オーディションのときですね。アドバイスがもらえるって雑誌に書いてあったので、レコード会社とか事務所にデモテープを送ったら“二次審査に来てください”みたいな感じで。そこで初めて人前で歌ったんですけど。もう、すごい緊張して、歌にも集中できないしギターもヘナチョコだし。だから最初の頃は、ギターを弾きながら歌うのがイヤだったんですけど、かと言ってカラオケで歌うのもイヤで。やっぱりライヴだから生の楽器で聴かせたいし、一人でステージに立ってパフォーマンスできるっていうのは武器になると思ってたので。なんとかふんばってやり続けていたら、だんだんギターが道具じゃなくて、一緒に歌ってくれるんだぁと思えるようになって。ステージの上の孤独みたいなものを、一緒に味わってくれるたった一人の仲間みたいな。そう思えば思うほどギターもそれに応えてくれるし。今では、膝の上に乗ってると安心するし、一心同体みたな存在にやっとなれたかなっていう感じがしますね。

――“もうイヤ”ってなったときに、サポートのギターを入れるという考えはなかったですか?

竹仲:サポートを入れてやったこともあったんですけど。やっぱり、憧れてたんでしょうね。父親が聴いていたアナログ盤の'60年代'70年代のシンガー・ソングライターに。あと、私みたいな女のコがステージで歌だけ歌っていたら、なんか、すごくナメられるような気がしてて。ちゃんと自分で曲を作って、自分の自我を出してる、自分から発していることを主張したかったんだと思うんです。100パーセント竹仲絵里、みたいな(笑)。自分が描いている将来像、いつかセルフ・プロデュースをしたいとか、そこにたどり着くには、今ちゃんと根っこを作っておかなきゃいけないなっていう。まず、竹仲絵里としての芯の通ったものを作りたかったというか。足し算は芯があったらいくらでもできるけど、引き算して裸になったときにどんな自分が見せられるのか?っていう。飾り付けがなくても自信を持って、自分を見せられる。そうなれば、いろんなことに挑戦できるようになるでしょうし。あとは、自分の声、声質を聴いてほしかったんです。だからシンプルに声を聴いてもらえる見せ方をしたかったんですよね。息の切れる最後の声の表情まで聴いてほしいので。

――話は変わりますが、ハッピーな歌とアンハッピーな歌は、どっちの詞が書きやすいですか?

竹仲:痛いことや苦しいことは、書き出したらとまらないですね。言葉を書くパワーは、痛いことがあったときのほうが大きいかもしれないです。それと、相手ありきというか。その人の顔が思い浮かんだり、言葉が残ったりすると、やっぱり、その人にも伝えたいっていう想いがすごく強くなりますよね。

――「ありがとう」にも、この言葉を伝えたい具体的な相手がいますか?

竹仲:います。この曲は、シングル用に改めて書いた新曲ではなくて、インディーズ・デビューした3年前の春にできた曲で、私のスタートとも言える曲なんです。別れがテーマなんですけど、それは自分が音楽をやっていく上で、もっと大きく羽ばたきたいっていう前向きな願いを込めて、すごく大切な人との別れを選んだ。だから、その人に最後に何を伝えよう、どんなふうに感謝の気持ちを伝えたらいいんだろうって、自分の中ですごく整理してたのに、実際に別れ際になったら、すごい回りくどいことばっかり言って、“ありがとう”って最後に言いたかった一言さえ上手に伝えられなくて。その気持ちを何かの形で残したい、何かの形でその人に伝えたいと思って。この3年間ライヴでもずっと歌い続けてきて、その人を思い浮かべながら歌ってたのに、いつの間にか"ありがとう"って伝えたい人の顔がどんどん増えていってるんです。こういう気持ちを持てるか持てないかで生き方が変わってくるだろうし、何よりも大切な気持ちだなって、歌うたびに噛みしめてますね。こないだ結婚した友達がこの曲を聴いて、両親に言いたい"ありがとう"っていう気持ちと重なって感極まったって言ってて。ふだん近くに居すぎて言えない言葉が、この曲をきっかけに言えたりしたら嬉しいですね。そしてどんどん一人歩きしていってほしい曲です。

取材・文●望木綾子

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