たぶん世界最年長! 84歳ラッパー坂上弘がデビュー!

ツイート
いまの日本はどーなんだ!? 経済は先の見えない大不況、若者はすぐキレちゃうし、明日の生活だって確実に保証できないビミョーな世の中。いったいどーなってんだ!? オッサンも、オバちゃんも、ギャルも、ガキも、みんなみんな言いたいことはいっぱいあるんだよ! もちろん、米寿(88歳)間近のご長寿にだって。

今回紹介するのは、たぶん世界最年長のラッパーであろう坂上弘という男。LL クール Jを聴いてラップに目覚めたという彼の齢は、なんと84歳! m-floが「ラップの原点」とリスペクトし、忌野清志郎が「兄貴」と慕ったリビング・レジェンドなのだ。そんな彼の来歴を簡単に紹介すると、1921年(大正10年!)、佐賀県に生まれ、満州にてトランペットと声楽を学ぶ。終戦後、東京にてジャズ・トランペッターとして活躍し、後進の指導にも力を入れていた。その教え子の中には、あの世界的なトランペッター日野皓正もいたという。その後、音楽活動は休止していたが、'95年に自主制作でカセット「交通地獄」を発表。この作品で、坂上は人生初のラップに挑戦する。ラッパをマイクに持ち替え、ラッパーになったというわけだ。交通事故で保険金3,000万円を得るものの、キャバレーにハマって文無しになってしまう男の様をリリックに綴ったこの曲は、当時アンダーグラウンド・シーンで密かに話題を呼んでいた。ちなみに、このとき彼は74歳。おまけに、リリックは全て彼の実体験に基づいて書かれたものらしい。

この作品から約10年の時を経て、先日、待望のフルアルバム『交通地獄そして卒業』がリリースされた。もちろん、前述の「交通地獄」、そして尾崎豊の名曲「卒業」のカヴァーや、借金に苦しめられる男の姿をまるで映画ばりの展開で描いた「借金地獄」など、注目楽曲を多数収録! 海の向こうのエミネムや50セントのリアルに共感する前に、ここ日本で暮らす坂上弘のリアルに触れてみるのはいかがだろうか?
この記事をツイート

この記事の関連情報