ロイクソップ来日レポ&メッセージ、プレゼントあり!

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ノルウェー・ベルゲンを本拠地にするエレクトロ・デュオ、ロイクソップ。デビュー盤がUKでスマッシュヒットを記録。さらに最新作『ジ・アンダースタンディング』を引っさげ来日した昨年のフジロックでは、土砂降りの雨の中、入場規制寸前の大混雑の中、昨年のレッド・マーキーの全ライヴ中で屈指の盛り上がりとなった。そんな中、ファン待望の単独公演がついに実現。2/1、東京・SHIBUYA-AXの模様をお届け!

二度に渡るフジロックでのステージは実現していたものの、単独での来日公演は初とあって、チケットは即日完売だったそうである。確かに、会場の内も外も始まる前からロイクソップ一色だった。外には微かな希望を持ってチケットを探す人たちが、もちろんフロアには一も二もなくかけつけたファンが、そしてロビーにもその熱気で乾ききった咽を潤そうと飲み物を買い求める客が。“なんとなく来てみた”というレベルの人など一人としていない。去年のFUJI ROCK FESTIVAL最終日のレッド・マーキーでの異様な盛り上がりはすでに伝説化してしまっているようだが、あの時の桃源郷に誘われるようなステージを再び目の前で味わおうとする人、今度こそ体験したいと鼻息を荒くしている人はこんなにもいるのだ。海外にまで追いかけて見に行ってしまっている熱心なファンも少なくないそうだが、そういう状況を考えても、レッド・マーキーよりもSHIBUYA-AXは明らかに狭すぎたと言えるだろう。入れなくて泣く泣く帰った人は本当に残念だったとしか言いようがないが、せめてここで当日の素晴らしさを報告するので味わってほしい。

フロント・アクトとして登場したのは、同じノルウェー出身のアニー。昨年、ロイクソップのメンバーも参加したアルバム『アニマル』がリリースされたばかりの女性アーティストである。実際はDJとしての活動経験もあるアニーだが、ここではシンガーとしての顔に徹しているのが興味深かった。その音は80年代のテクノ・ポップからユーロ・ビートあたりまでを視野に入れたいかにもチープなタッチで、正直なところ1時間弱ともなれば途中で新たな展開が欲しくなったが、デペッシュ・モードやイレイジャーが大好きというロイクソップの二人の趣味の琴線に触れる部分も確かにあり、今あえてここまでチープなサウンド・テクスチャーで音楽をやることの意味合いをつくづく考えさせられた。

その後、少々の休憩を挟んで、いよいよロイクソップの登場だ。来日に合わせてリリースされた地元オスロでの公演を収録した『ライヴEP-ROYKSOPP'S NiGHT OUT-』でも最新ツアーの様子が確認できたが、今回のこの来日単独公演も昨年からのツアーの流れをそのまま受けたもの。スヴェインとトルビョルンによる、赤いシャツに黒いネクタイという“クラフトワーク”な衣装もここ最近の定番だが、バックの電光掲示板にプレイしている曲目が赤い電飾文字で流れる仕掛けも同じだ。ちなみのこの電光掲示板には専用のスタッフが帯同していたそうで、ほぼ曲順どおりにテロップが流れた東京公演の2日後に行なわれた大阪公演では、ツアーそのもの最終日とあってスタッフもわざとそのテロップをメチャクチャにする悪ノリぶりだったそうな。そのくらいメンバーもスタッフも今回の単独来日公演を存分に楽しんでいたということなのだろう。

しかも、フジロックの際には来日していなかった女性シンガーのケイト・ハブネヴィックが「サーキット・ブレイカー」と「オンリー・ディス・モーメント」で登場。これはフジ・ロックをすでに体験してきたファンにとってもうれしいプレゼントだったはずだ。まもなく本国ではニュー・アルバムもリリースされるケイトだが、地元ノルウェーを中心としたヨーロッパでは活動経験もあり、そのロイクソップの「オンリー・ディス・モーメント」のソング・ライティングにも関わっているように、ミュージシャンシップも高い。実際、スヴェインとトルビョルンの二人と揃えたような赤いドレス姿でステージに現われた彼女の歌声が、ロマンティックなメロディやリフを孕んだ彼らの楽曲に、より情熱的なフィジカリティを与えていたことにそこにいた誰もが気づいたことだろう。

フジロック以降もツアーやライヴを重ねてきていただけあって、ヴォコーダーを駆使してユーモラスに聴かせる曲の盛り上げ方などはかなりこなれてきた印象。余裕を持って接することで客との連帯感もさらに強まり、彼らがライヴ・アクト面にかなり力を注いできたことをあらためて実感させられる、いい意味でもプロフェショナルなステージだった。’80年代ライクなエレ・ポップの要素と’90年代以降の四つ打ちビート、そこにメランコリックでヒューマンな感触のメロディが重なっていくというロイクソップの音楽性が、ライヴと共に深化していく様子を味わうことが出来たことは何よりの喜びだったと言っていいだろう。

なお、東京公演でも当初の選曲をオーヴァーしての盛り上がりを見せたが、大阪公演では本編で披露した「Eple」をアンコールで再度プレイするなどのサービスぶりだったとか。終演後のロビーに登場したマスコットのLenoくんも記念撮影に引っ張りだこだった。現在はマッシヴ・アタックのリミックスをはじめとしてスタジオ作業で再び多忙な日々を送っているそうだが、07年には届く予定という新作を今はとにかく心待ちにしていたい。

ロイクソップ 来日ビデオ・メッセージ
https://www.barks.jp/watch/?id=1000012375

ロイクソップ 直筆サイン入りポラプレゼント
https://secure.barks.jp/?m=present&id=1000000679&a=form


取材・文●岡村詩野
写真●Yuki Kuroyanagi

ROYKSOPP
1-2-06 TOKYO SHIBUYA-AX


INTRO

ROYKSOPP'S NIGHT OUT
DONT'T GO
WHAT ELSE IS THERE?
CIRCUIT BREAKER
A HIGHER PLACE
REMIND ME
EPLE
ALPHA MALE
SPARKS
ONLY THIS MOMENT
POOR LENO
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WAHT DOES IT FEEL LIKE?
ISTANBUL FOREVER
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GO WITH THE FLOW
KOK ENOK
SO EASY
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