東京事変、2ndと新メンバーでの顔見世ライヴ武道館レポ!

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フジテレビ系時代劇『大奥~華の乱~』の主題歌、「修羅場」が大ヒットを記録。先日リリースされた2ndアルバム『大人(アダルト)』も、2位以下に大差をつけてオリコン初登場1位を記録するなど、より広いファン層に支持を得ている東京事変。新メンバー伊澤一葉(Key)、浮雲(G)を迎えての新生・東京事変の顔見せとして、東京・日本武道館、大阪・大阪城ホールで行なわれた今回のツアーの武道館公演を目撃した。

アルバム作品での歌唱、演奏、アレンジといった完成度の高い、作り込まれた世界観は、ライヴでどう表現されるのか? 新メンバーの演奏は? 期待の高まる今回のライヴ。「男と女」を出囃子に薄明かりの中メンバーが登場すると、武道館独特のすり鉢状の会場に満場の観客から大歓声が響き渡る。オープニング・ナンバーの「葬列」が始まると武道館中すでに総立ち。さらに、そんな異様な盛り上がりを見せる雰囲気の中、数十人以上という制服姿の杉並児童合唱団がステージへ。美しいコーラスを響かせてくれるのだが、のっけから度肝を抜く展開だ。「群青日和」ではオルガンをバックにアカペラ風の歌い出し。サビでは杉並児童合唱団のコーラスと意表を突くアレンジ。「歌舞伎」では拡声器を使ったパフォーマンスと曲ごとに多彩な演出。

しかし、「スーパースター」や「化粧直し」では歌詞のはっきりと聞き取れるミディアムやスローで“大人”の女性の気持ちを歌うなど、“大人の女”である椎名林檎の新たな魅力も表現されていた。

前述の児童合唱団、拡声器を使ったパフォーマンスはもちろんスクリーンを使った映像の演出、そして数曲に一度は衣装チェンジをするなど、視覚的なエンタテインメントの完成度も高かった。それに加え、亀田誠治のウッドベース、さらにステージのおよそ1/5は占有していたのではないかという、伊澤一葉の持ち込んだグランドピアノといい、演奏はかなり本格的。そして、何より椎名林檎のヴォーカリストとしての存在感が素晴らしい。「夢のあと」ではピアノをバックにしっとりと歌い上げると、その圧倒的な歌声に逆に拍手や歓声が止んでしまい、会場中がしーんと聴き入った程だ。アップテンポな曲で盛り上がるだけでなく、しっとりしたナンバーで“聴かせる”ことができるのも、その実力の表れといえるだろう。

北エリアはシートで覆い閉鎖され、通常の武道館コンサートよりはややコンパクトに作りこまれた会場は、アリーナだけでなく、スタンド席からもステージとミュージシャンの表情まではっきり見え、濃密な体験を共有することができた。巻き舌で扇情的に歌い上げるというよりは、歌詞や演奏も含めて、アルバムのタイトル通りまさに「大人」のコンサート。演奏面では新メンバーも含め、東京事変のバンドとしてのまとまりを感じることができた。何より、ヴォーカリスト椎名林檎の表現力には圧倒されるものがあった。恐らく、メンバー本人たちにとっても、満足のいくステージだったのではないだろうか。


<東京事変 DOMESTIC! VirginLINE> 06.02.19日本武道館
01. 葬列
02. 群青日和
03. 虚言症
04. 歌舞伎
05. 化粧直し
06. 丸の内サディスティック
07. スーパースター
08. サービス
09. 喧嘩上等
10. ブラックアウト
11. 夢のあと
12. 母国情緒
13. 修羅場
14. 秘密
15. 手紙
16. 透明人間

EN-1:落日
EN-2:恋は幻
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