──このアルバムには、状況は違えど、とにかく甘酸っぱいシーンが満載ですよね。こういったアルバムを作ろうと思ったキッカケを教えてください。
星村:やりたいことをやった前作『SOUP』から、もう一回原点に帰って何をやりたいか考えたとき、“恋愛”っていう誰にも外せないものが頭に浮かんだんです。たとえ、いま恋愛してなくても、絶対にどこかでしたいって気持ちはあるだろうし。そういう誰からも切り離せないものって凄いなって思って。学校も卒業して、これまでとは書くものが変わってきたという部分で、この恋愛というテーマを歌ってみたいと思ったんです。
──では、アルバムタイトル『Joyful』に込められた意味を教えてください。
星村:タイトルは最後に決めたんです。(アルバムの)内容も恋愛一色なんで、最初は「Love ○○○」とか「○○○ Love」みたいな感じで考えてたんです。けど、あるときにふとこの“Joyful”って単語が頭の中に出てきて。“これだぁ!”って直感で決めました。
──“楽しむ”とか、そういう意味の単語ですよね。
星村:はい。素敵ですよね、この“Joyful”って単語。私はその言葉の奥に“愛”っていう意味があるんじゃないかって、凄い感じたんですよ。“Love”よりも、もっと深いところの“愛”みたいな。で、よくよく考えてみると、今回、恋愛の曲が14曲入ってて、中には失恋の曲もあるんですけど、私の曲って最後に “こうなりたい”っていう前向きな願望が入ってるんですよ。「悲しい→フラれた→終わり」みたいな感じの曲はないわけですよ(笑)。恋する前も、別れたときも、みんな幸せになりたいから、泣いたり怒ったりするわけで、みんな喜びに向かっているんだなぁって、思ったんです。
──前回のインタヴューでは“ライヴをしたい!”というのが目標でした。では現在の星村麻衣の目標を教えてください。
星村:これまではイベント中心で、ライヴはあまりやってなかったんで、今年はまたがんばりたいです。
──星村さんにとって、ライヴはどのような位置づけ?
星村:ライヴって、作品の反応がダイレクトに返ってくる場所だと思うんです。表情とかそういうところで、どうやって聴いてくれてるのかわかる気がするんですよね。わたし、ライヴ中によく客席を観てるんですよ。
──緊張しませんか?
星村:いや、落ち着くんです。逆に、客電が落ちてると不安になりますから(笑)。歌の時は点いてるから良いけど、MCの時とかは電気が消えててお客さんの顔が見えないから、未だに緊張しますね。一番近い場所というか、お客さんの表情を見ていたいし、この人はどう感じてくれてるんだろうとか。たまに泣いてくれてる人とかいて、そういうのを見ると逆に私も泣きそうになったり。わたしから出たパワーが、お客さんを経由して、またわたしに帰ってくるみたいな。
──すごくポジティヴな循環ですね!
星村:うん、そう思いますよ! あと、目標という部分では、楽曲制作をもっとがんばりたい。ピアノっていう基盤は崩さずに、ギターとかにも挑戦して。曲作りにおいての前向きな姿勢というか、そういうのを磨いていけたらなぁって思っています。そういう風にしていけば、自分でも想像もしないようなメロディ・ラインが出てきたりするかもしれないし。いろんな可能性を感じていたい。
取材/文●バークス編集部 ●インタヴュー前半へ |