爆音必聴! 1stフル・アルバム完成記念特集:鍛冶毅インタヴュー

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もともと、2001年にバンドが結成された頃の音楽性は、ストレイキャッツをはじめとするネオ・ロカビリー的な要素の濃いものだったという。ところが彼らは、その様式美の中にとどまることを良しとせず、新たな、しかし厳しい道をあえて選択して今日まで突き進んできた。

 

「アマチュアの頃、ストレイキャッツとかみんな好きで、単純にカッコいいなと思ったんですけど、ずっとやってて、いろいろ音楽を聴くうちに、進化してねぇなと思っちゃって、ロックが。50'sとか60'sを再現したところで、何が生まれるんだろうなぁと思って。ロックをロールさせて、進化していったほうが絶対楽しいなと思って。で、一切その当時の曲を捨ててしまって、もう1回ゼロから作り直したんですね。すごい厳しかったですけどね、道としては。たぶんその頃に、メンバーが“音楽で一生行く”みたいな、真剣に考えるようになったんじゃないですかね」

 
  

アルバム・タイトル『Black Luster Songs』を直訳すると、“黒い輝きを放つ歌たち”になる。鍛冶の直感でカッコいいと思った言葉を並べたという、強烈なイメージが乱反射する一見アブストラクトな詞世界だが、その中に隠されている確かなリアリティを感じとることができたなら、あなたはすでにTHE RODEO CARBURETTORの提示するロック世界の住人である。

 

「この曲たちを、ひとことで言うにはどういう言葉だろうな?と思ってて。やっぱりロックの持つ黒光りの感じだろうなと思って。バンドのコンセプトでもある、カッコいいかカッコ悪いかっていうところで。いくら感動するような言葉を並べても、俺らはいらないって感じなんですね。そこを最優先にして考えてますね、歌詞は。ただ、これからは…それって、今までのロックのイメージじゃないですか。そこはやっぱりぶち壊さなきゃなと思うんですね。いずれ徐々にやっていこうと思ってるんですけど。ぶち壊します、そこは」

 
  

彼らには、ほかのバンドが気軽に口にする「目標」や「夢」や「野望」のようなものはない。なぜなら、バンドこそが、ロックこそが生きることなのだと、とっくの昔に腹をくくっているからだ。

 

「ゴールは、知りたくないじゃないですか。そこで、どんな感じで楽しんでいくんだろう?みたいな。こういう道かな?って、そこはちょっと、楽しみたいですね。ゴールを知ってたら、つまんないじゃないですか。でも、すごい険しい道だと思うんですけどね、ここでやっていくとしたら。でもそんなのは、3人とも承知の上でやってるというか。楽しんでます」

 
  

5月2日からは、待望の全国ツアーがスタートする。彼らの音楽に少しでもピンとくるものがあったなら、何はともあれライヴに参加してほしい。あなたの中の何かが変わる、その大きなきっかけがそこで待っているかもしれないから。 取材・文●宮本英夫

  

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