初のバラード曲「君の事が」を歌う、清春の壮大な愛に迫る ~INTERVIEW~

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清春 ロングインタヴュー

清春:振り返るとSADSも楽しかったし、黒夢も楽しかったし、35才の誕生日にソロでデビューして、今考えるといろんな気持ちがあるけど、こういう活動を熱心なファンの子たちと続けてられるのは素敵だなと思うし、自分に対してウソがないっていう感じはあるよね。やりたくないことはやっぱ今でもやりたくないし、解散ライヴもしないでさ。黒夢もSADSも解散って言ってないもんね。 ――気持ち的に解散ライヴができない? 清春:できないっていうか、どうでもよくなっちゃうんだよね。SADSもオフに入るとしか言ってないんです。でも、休みたいっていうこと自体がもうイヤっていう証拠なんですよね。みんな、オフをとったりしながら活動を続けるけど、俺は復活したときにそのバンドが結成した頃のようなパッションはないと思ってるから、それだったらその時々で自分が楽しめる活動をつねにしたい。それは今のソロなんですけどね。 ――そのソロも2003年に始動して、1stアルバム『poetry』を発売した頃とでは気持ちが変わっているのでは? 当初はもっと悲しげなモードでしたよね? 清春:はい。でも、今は楽しいし、やっと最近、この2年ぐらいで“これは天職なのかな”って思い始めてるかな。曲を作って、ステージで歌うっていうのがいちばん落ち着くっていう。それまではよくわけがわかってなくて、結局どっかでモテたいだけみたいな(笑)。もちろん、今でもその根本はあるだろうけど、音楽はきちっとやりたいっていう。表現方法は変わっていくから。 ――実際、ソロになって表現方法は変わってきてますよね? 清春:変わってきましたね。バンドを2つ潰して、ソロデビューしたこととか、ファンが入れ変わったこととか、子供が生まれたこととか、全部影響して、今がある気がしますけど。あ、何年か前に俺、街で買い物していたときに黒夢の頃に熱心に追いかけてきてくれたコにバッタリ会ったんですよ。向こうは、俺が覚えてるなんて思ってないけど、俺のほうは覚えてたから、「元気?」って言ったら、ビックリしてたけど、そういうときに「久しぶり」って…それが自分を応援してくれた人たちへの、あるひとつの愛なのかなって。一時期でも僕の感覚の一部を好きになってくれた人たちへの、って最近は思ってるんですね。 ――それは最新シングル「君の事が」や、制作中のアルバムで表現していることにも通じていることなのでは? 清春:そうね。人間愛だね。ファンのコから受けた愛情だとか。男女の愛もいつか人間愛に変わっていくし、最初はアーティストとファンの関係なんだけど、僕がいつかステージを降りたときにはきっと人間愛になっていくのかなと。 ――いつもそうやって先のことを考えていますよね? 清春:うん、特に最近は考えるようになった。聴いてくれる人たちには切ない話かもしれないけど、いつまでも現役でやれるわけじゃないし、僕が何を思っていて、どういう人間だったのかっていう記憶を落としていくような時期に今突入してる感じがあるんだよね。もちろん、音楽は自分にとって、いちばん落ち着ける場所なんだけど、僕ってたぶん音楽だけじゃないんですよ。だからこの先、何枚アルバムを出すかわからないですけど、確実にいつかやめる日が来るから、それまではちゃんと一生懸命やりたいっていう気持ちがすごく芽生えてるし、僕のことわかってくれようとする人たちとの関係がすごく愛おしいから、それが作品に反映されるっていうのはあるかもしれない。

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