「ハリケーン・リリ,ボストン・マリ」 特集 INTERVIEW編

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――「ハリケーン・リリ,ボストン・マリ」は、まずタイトルから「なんだろう?」って感じですよね(笑)。

西島:ねぇ(笑)。僕は歌詞の中のストーリーに乗って、歌を表現するんですけど、最初に曲名を見たときの第一印象は“なんじゃこりゃ!”だったんですよ(笑)。いったいどんなストーリーなの!?って。

 

日高:タイトルを聞いたのと同時に、“曲と詞は真島昌利さんだよ”って知ったんですよ。だから僕はそっちの衝撃のほうがデカかった。真島さんが“ハリケーン・リリ,ボストン・マリって言ってんだー”って思ったら、なんだか妙に納得できたんです。あぁ、なるほどって。そういう説得力ってすごいですよね。

 

伊藤:タイトル見ても、内容の想像がつかないですよね。リリ、マリってなんだろう? ペットかなぁとか、いろんな想像をしましたね。真島さん的には、いちおう女の人の名前だっていうことは言ってたみたいなんですけど、それぞれ聞いた人が想像したものでいいよって感じらしいので、私がそう思ったのもあながち間違いじゃないなぁって。

 

日高:この曲って、いくつかいただいたデモの中の一曲だったんですけど、仮歌も真島さんが歌ってたんですよ。この曲だけ、異彩を放ってましたね。

 

――歌詞の世界もちょっとおとぎ話のようだよね。

日高:子供がしゃべってるみたいな感じがいいですよね。UFOって言葉が2回出てくるし(笑)。エディ・コクランとか固有名詞も入ってて、すごくユニークですよね。

 

――エディ・コクランは知ってた?

日高:知ってました。確か、21歳とかで亡くなったんですよね(1960年に自動車事故で急逝)。僕が昔、バンドをやってたときに、“ジミヘンって27歳で死んじゃったんだよね”とか、そんな話をしてたんですよ。その時に、コクランの話も出て。短い人生の中だからこそ表現できたロックが、未だに残っているわけですよね。'60年代とか'70年代の音楽が本物だって言われるのは、商業的に音楽を発していないからっていうのもあるだろうけど、そうやって命を燃やして作ってたからなんだろうなって。やっぱりその頃の音楽って、異彩を放ってますからね。'80年代からとは明らかに違う何かがある。だから今、そういう本物がバックアゲインしてるんだろうなぁって。で、今回の歌詞にエディ・コクランの名前が入ってて、そういうことに気づいてハッとしたんですよね」

 

――すごい、深い洞察ですね。そういう話を知って聞くと、この曲がより深い歌に聞こえてくる。歌ってみてどうでしたか。

西島:個人的には難しかったですよ。いつもリズムとかピッチとか、きれいに歌うっていう意識があったんですけど、レコーディングをしたときに崩してみようと思ったんですよ。真島さんの仮歌も真島さん流で、僕があんまり聴いたことのない歌い方だったんですよ。“あぁ、こういう歌い方もあるんだ!”って。それでいつもの自分のスタイルを壊してみようと思ったんですよ。宇野ちゃんも浦ちゃんもそこは苦戦したみたいです。でも本番は自分の中で噛み砕いて歌えたんですけどね。難しいのひとことでした。

 

――なるほどね。宇野さんのパートも声の出し方からいつもと違うものね。でも、自分のスタイルを壊すことで見えたものもあったでしょう?

西島:そうですね。宇野ちゃんの歌を聴いて思ったんですけど、今まで他のシングルでは“セクシー”とか、自分なりにテーマを作って歌ってたみたいなんですけど、ある意味、今回が素なのかなぁって。芯をさらけ出した状態の歌なのかなと思ってみたり。歌詞にストーリーはあるんだけど、それぞれ出した答えが違うわけですよ。だからこそ、自分の芯みたいなのがしっかり歌でも出せたのかなっていう思いがありますね。この3人もそれぞれまったく今回の曲に対する考え方は違いますしね。

 

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