Every Little Thing、新曲「ハイファイ メッセージ」は新鮮な果実のようなビビッドさ!

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――最近、ひっかかったものは何かありますか?

持田:ひっかかったというか、共感と一口では言えないんですけど、最近『好きだ、』という映画を観ました。人が想いを言葉にするということの大切さを物語っているもので、自分が歌にしてきたこととすごく重なって私はとても感動しました。

――普段の生活の中では、どんな刺激を受けているんでしょう。

持田:ストイックに健康に気をつけているというわけではないんですけど、ま、身体を動かすこと。プールで水の中にいることの気持ちよさとか、あとは岩盤浴とか。石の上のサウナ……石の上に寝るんですけど、それはよく行っていますね。身体への気遣いというのはあります。

――ヴォーカリストは身体が楽器ですしね。身体の調子は良さそうですね。

持田:良いですね。ちゃんとやることをやってあげることによって、フットワークが軽くなっていく感じというのかな、すごい、いいですね。

――「ハイファイ メッセージ」にも表れていますよ。サビなんか、息継ぎなしで歌い切っているでしょ?

持田:あー、(言葉が)詰まってますね。

――4~6小節くらい、平気でノンブレス状態だから。

持田:…そうかもしれない…。

――は? もしかして、気付いてないんですか?

持田:気付いていない(笑)。

――つーか、走り回っていたりするとライヴでは相当きついんじゃないっすか?

持田:あー、そうかもしんない。じゃぁ探します、ブレスのタイミング(笑)。ここで息を吸えばいい!みたいなところを(笑)。無かったら、苦しい顔します(笑)。……違うか。

――夏ごろには、いよいよ新作アルバムの登場を期待するわけですが、現時点でいかがでしょう。

伊藤:コンセプチュアルなアルバム作りではなくて、楽曲ありきだと思います。もちろん違う人が書いた曲もELTとして聴かせるというポイントはあるんですけど、全体的なサウンドのテイストを似せよう(統一させよう)とかは考えてはいないかな。

持田:過去の作品をみてみても、一朗さんが言ったようにコンセプトありきということよりも、ひとつひとつを丁寧に……。“私達はELTです”という主張よりも、聴いてくれている人がどれほど楽しみにしていてくれているかという気持ちを考えたいので。

――楽しみにしていますよ(笑)。

持田:もちろん、その都度の自分の気持ちというのが詞になっていくし、一朗さんの思いがプレイにつながっていくんだと思うんです。そういう私達の体温とか、そういう、なんて言うんだろ……細かい感情とかがたくさん詰まったものが、誰かの心の中に生き続けてくれることが本望ですよね、やっぱり。

――そうですね。ELTは不健康になったらそれはすぐ作品に表われるタイプですから。

持田:あははは(笑)。ふふ。

伊藤:やっぱり出そうとしなくても出るものですよね。ミュージシャンというか濃い人って、いくら棘を削いで牙を抜いても、やっぱ出ているんですよね。そういうのはありますね。

――そういうELTを待っています。その時の2人の感情とその表現に対する清らかさ。

持田:なんかねぇ、いつも……書き終わったりとかすると「あぁもう書くことないかも……」とか思っちゃうんですけど、でも生きてるから、作品を作っていく上で「書くことない…事ないな」みたいなことを学ぶんです。

――そうですね……言うことがなくなったら死んじゃうしかないもん、ねぇ。

持田:死んじゃわないけど(笑)、共感する人達がいてくれているというのは、多分そういう感情を重ねてくれているということと思うんです。そういうやり方をしていきたいというか、そういう音楽はやっぱり必要だと思うんです。


最後に、薬指だけグリーンに塗られた両手のネイルを問いたところ、持田香織は「これはメイクさんの主張です。デザインですよね、きっとね」と応えた。

クリエーターであり表現者でありアーティストであり、そして何より女性である彼女が、メイクさんの造作をそのまま享受し、受け入れてしまっているところにちょっとした感動を覚えた。

我の強いミュージシャンであれば、撮影が終わりプライベートに戻る時点で、ネイルアートは自分の嗜好に戻す。自己表現の鎧を纏うことで安心と確信を取り戻すのだ。

オフでも、持田はグリーンの薬指を楽しんでいる。メイクさんの主張をふにゃにゃんと受け入れて自然体でいることの素敵さとはじけるようなその個性を“あなたは変で面白い”と指摘した。
「……そうかもしれないですね。でもわたし、自分で考えたこともない。“私、面白い”って」と、とびっきり「素敵な回答」が返ってきた。

そんな持田香織を柔らかな空気で包み、自由に想いが馳せていくように、ELTをプロデュースするのが伊藤一朗である。

彼らの醸し出す取材ルームに満ちた空気感は、次作への期待を大いに掻き立てるものだった。不純物がろ過されて浄化していくようなサウンドが、アルバムという形を持って夏にはお目見えすることだろう。

取材・文●烏丸哲也

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