驚異のスピードを見せつけたドラゴンフォース来日ライヴ

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速い。とにかく速い。そして動き回る。それで弾けるのか、と心配したくなるほど走り回る。でもそのパフォーマンスから繰り出されるのは、極上のヘヴィメタルミュージックなのだ。

6/17から始まったドラゴンフォースの来日ツアーは、縦横無尽に駆け回る彼らのエネルギーが大爆発した渋谷・O-EASTのライヴで幕を開けた。超満員で立錐の余地もないほどのファンがつめ掛け、会場はムンムンした熱気で包まれた。

1曲目の「STORMING THE BURNING FIELDS」からもうパワー全開モードの飛ばしまくり。ステージ前に押し寄せたファンは、声を限りに叫びまくり腕を突き上げる。フロントの4人に加えてヴァデムもショルダーキーボードでご存知“お立ち台”に参加し、ファンを煽りまくる。最近では珍しくなってしまった長ーいギターソロもたっぷり。2曲目「FURY OF THE STORM」ではネックの上から左手をかぶせるトリッキーな奏法で流麗なツインリードを披露。メロディアスなサビでは観客の大コーラスも自然と起こり、前半戦でステージと観客が一体化していく。

昨年のライヴに比べてボトムが確実に安定してきている。これは数多くのツアーをこなしてきた成果なのか、これほどのスピードの演奏を心地よく聞かせるためには最大の不可欠な要素だ。フレデリックのベースも、やんちゃな2人のギターに決して負けてはいない。4曲目「BLACK WINTER NIGHT」5曲目「FIELDS OF DESPAIR」などでは、フレデリックの右手はもはや痙攣の域で、ものすごい速さのパッセージを次々と決めていく。メロディアスだが怒涛の速弾きが凄い「HEART OF A DRAGON」、「MY SPIRIT WILL GO ON」では、観客のジャンプで床が揺れる。

ブレイクで入るハーマンのハーモニクスのアーミング、ライトハンドによる2人の高速ハモリ、クラシカルなキーボードフレーズとの掛け合い、観客との合唱、お立ち台の順番を待つのももどかしく観客にアピールするフロント4人、そして次々に手渡されるボトルウォーターを観客に掛けまくるパフォーマンス。どれもがヘヴィメタル・ミュージックの聴き応えと楽しさが凝縮されたものだ。

とにかく音がデカイ、速い、そしてなによりも楽しい。ストイックに演奏に専念するテクニカル・メタルを愛する人には、あまりの暴れようが演奏に真面目さがないなどと思われがちな彼らだが、それは完全な誤解だ。彼らにとって心地よいスピード、彼らにとっての自然なパフォーマンスが、いま見せているステージングなのだ。無理矢理な速さだけを追求しているのではない。また無理な悪ふざけのステージングではない。高度な演奏力と楽曲の完成度の高さが、彼らの核となっている。そしてそれを受け入れているファンの熱狂が、彼らの存在を認めている証拠だろう。

さて、その中心人物サムとハーマンの2人にライヴ直後にインタビューを行った。じっくり読んで、彼らのメタルに対する愛を感じ取ってほしい。

──昨日のライヴの手ごたえはどう?

サム・トットマン(以下、サム):とてもクールだったよ。

ハーマン・リ(以下、ハーマン):僕は2日間くらいまともに寝てなくて、ショーが始まるまでバックステージの床に転がって寝てたんだ。でも、ファンの顔を見たとたんに盛り上がっちゃったよ。脳みそが機能してなかったんでミスが多かったかもね。ごめんね。

──ますます速くなってるね。理想とする速さの何%くらいに達してる?

サム:うーん、前から速かったからねぇ。僕たちはそれが良いと思ってやってるんで。

ハーマン:スピードだけの問題じゃないんだ。楽器の組み合わせによっても速く聴こえるってことがあると思う。ドラムのスピードに関していえば速さには限界があるし、それ以上だとメロディがないがしろにされちゃう。スピードだけじゃなくて、楽器の組み合わせによって激しさを表現することができるようになってきていると思うよ。

──あなたの考えるメタルミュージックとは?

ハーマン:ドラゴンフォースに凝縮されているよ。僕等の音楽って、様々なメタルのスタイルから一番いいところを組み合わせてるからね。自分たちが好きなバンドのスタイルを突き進めてみる、あるいは速いのがカッコいいと思ったらさらに速くしてみるっていうところから出来上がったのが僕等の音楽だからね。

サム:実際に僕も自分たちの音楽を電車の中なんかでよく聴くんだよ。自分が聴きたいと思った音楽を作っているからそうなるんだと思う。今の僕等の音楽が、メタルのあるべき姿だと思うよ。

──OZZFESTのメインステージ出演が決まったけど、意気込みをきかせて。

ハーマン:すごく楽しみにしているよ。メタルシーンにおける僕たちの立場から、いろいろとアピールできるんじゃないかと思うよ。アメリカには、こういう音の若手バンドは他にいないから、見せてやれるものがあるんじゃないかと思う。けっこう驚かれるんじゃないかな。どう受け取られるかすごく楽しみだよ。

サム:ツアーをずっと続けてて、OZZFESTのために何か特別なことをやるというんじゃないから、この延長線上でさらに良いものを見せるつもりだよ。

<セットリスト>
2006.6.17 @東京・渋谷O-EAST
01.STORMING THE BURNING FIELDS
02.FURY OF THE STORM
03.OPERATION GROUND AND POUND
04.BLACK WINTER NIGHT
05.FIELDS OF DESPAIR
06.STARFIRE
07.Keyboard Solo
08.SOLDIERS OF THE WASTELAND
09.HEART OF A DRAGON
10.MY SPIRIT WILL GO ON
11.THROUGH THE FIRE AND FLAMES
12.VALLEY OF THE DAMNED

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