9週連続全英1位、驚異の新人ナールズ・バークレイ初ヘッドライン公演をレポ!

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デビュー・シングル「Crazy」が9週連続でUKチャートのトップを飾ったナールズ・バークレイ。続いてリリースされたデビュー・アルバム『St Elsewhere』もNo.1を獲得し、初のヘッドライン公演だというのにロンドン・ハマースミス・アポロ(収容人数5,000人)をソールド・アウトにしてしまった。

当初、コンサートは7月5日に行なわれるはずだったが、ワールド・カップでイングランド・チームが勝ち進む場合を考慮し、翌6日に変更された。アメリカ人でありながらサッカー好きの2人。残念なことにイングランドはその前に敗退してしまったが、その心遣いはうれしい。この夜は、会場に年齢制限があるためか「Crazy」にクレイジーになった子供たちの姿は見られず、オーディエンスは20代中心。そして、バック・バンドのメンバーと友人というトラヴィスの2人(ボーカルのフランとギターのアンディ)の姿も見られた。

ナールズ・バークレイはプロデューサーのデンジャー・マウスとラッパーCee-Loの2人から成るユニットだが、ライヴではギター、ベース、ドラム、キーボードのフル・バンドに、ストリングス4人、バック・コーラス3人の総勢13人がラインアップ。その全員が、デビュー当時のブリトニー・スピアーズを思い起こす制服姿でステージに登場した。このコスチューム、“太めでオッサンくさい”彼らには似合わず、観客は大ウケ。これだけで会場は「なんだか楽しい夜になりそう」との期待感に包まれた。

そして、テディ・ベア風の体系で愛嬌たっぷりのCee-Loと、ステージ後方で“仕事してます”といった真剣な面持ちで椅子に座ったまま作業を続けるデンジャー・マウスのコントラストも面白かった。

しかし、デンジャー・マウスとCee-Loは、このユニットをただ面白ければいいサイド・プロジェクトとは考えていないようだ。フル・バンドの起用からもわかるように、彼らは手を抜くことなくヘヴィでファンキーなショウを展開してくれた。多分「Crazy」だけを目当てに訪れた人々もいたとは思うが、ロック、ラップ、ファンクありの極上パフォーマンスはうれしい誤算。どのトラックも、暖かく迎えられた。

ショウ後半で登場した「Crazy」、そしてニュー・シングルの「Smiley Faces」は、もちろんこの夜のハイライト。会場は揺れるほどの大合唱となった。「Crazy」があれだけ大ヒットしたため、売れ筋ポップ・グループとの偏見を持つ人もいるかもしれないが、実は本格派へヴィ・ファンキー・バンド。楽しくて元気がもらえるショウだった。

ナールズ・バークレイは、<FUJI ROCK FESTIVAL '06>で来日する。

Ako Suzuki, London

「クレイジー」PVはこちら
https://www.barks.jp/watch/?id=1000015286
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