GOING UNDER GROUND、感動の日本武道館ライヴレポート

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今年の2月にリリースしたアルバム『TUTTI』をひっさげ、3月から全国ツアー<TUTTI>を敢行していたGOING UNDER GROUND。全国25公演を行なった今ツアーのファイナル公演が、7月6日に日本武道館で行なわれた。平日というにもかかわらず、会場を満員の人で埋め尽くしたファイナル公演は、メンバーとファンの感動の熱気が溢れるライヴとなった。

会場に到着したとき開演時間がすでに過ぎていたため、駆け足で会場に入る。扉を開けると眩しい光と「グラフティー」のメロディが飛び込んできた。総立ちのファンが大合唱する中、慌てて席に着き、改めてステージを見る。ヴォーカルの松本素生は、3曲目にしてすでにメガネを曇らせ、汗だくになりながら熱唱。そんな全力のステージを少し見逃したことに後悔しながら、ライヴに見入る。「キャンディ」「口笛どろぼう」「ノラ」と新作からの選曲が続き、「ノラ」では、曲の途中でメンバー全員によるラップでのメンバー紹介が! あまりに上手にラップをするので、そのうちHIP HOPな曲調に転向してしまうのではないかと一抹の不安がよぎったほど(それはないと思うが)。松本は“(ツアーで)25箇所くらい廻ると、バンドもラップをするようになるってね”と、会場を笑わせていた。

そしてこの日は、ベースの石原聡の母親が初めて彼らのステージを観に来ているなんていう話も。照れ臭そうにしながらも、うれしそうにベースを弾く石原を、オーディエンスはニコニコ顔で見つめていた。続いて5月にリリースされたシングル「VISTA」を披露。爽やかな初夏を感じるサウンドが、今の時期にピッタリで聴いていて気持ちがいい。「愛をちょうだいな」ではステージが真っ赤なライトで照らされ、“愛”が溢れ出るかのような演出に。「南十字」では、ステージ背景が星空のようになり、しっとりしたメロディと曲にマッチした雰囲気を堪能するかのように、オーディエンスは静かに聴き入っていた。

オーディエンスが素敵な雰囲気の余韻を味わう中、松本が“やべっ、チャックがちょっと開いてた。”と、衝撃の発言で爆笑を誘う。“なつかしい曲をやります”と言って始まったのは「かよわきエナジー」。名曲「Take Me Home, Country Roads(邦題:カントリーロード)」のメロディが流れ出す。この曲を聴いていると、上京してからの5年間、彼らが怠ることなく行なった努力や苦労が自然と伝わってくるようだ。緩やかな空気を吹き飛ばすように「センチメント・エキスプレス」の激しいギター・サウンドが響き出す。「ステップ」では中澤寛規(G)がくるくる回りながらギターを掻き鳴らし、キーボードの伊藤洋一も陽気に踊ってオーディエンスを煽る。楽しそうに演奏するメンバーが印象的だった。

“HEY、HEY、HEY、寛規!”とオーディエンスに煽られて始まったのはギターの中澤がヴォーカルを務める「ショートバケイション」。中澤の高めのヴォーカルがテンポのいいリズムに乗ってこだまする。オーディエンスもここぞとばかりに踊り狂い、会場は熱気に満ちていく。「ハートビート」では、サビの“ハートビート”のフレーズに合わせて両手をピースにする振りを全員で行ない、メンバーとオーディエンスの一体感を感じさせた。最後は「STAND BY ME」を演奏し、「ありがとう」と手を振りながらステージ袖に帰っていくメンバー。ファンが声援を送る中、本編が終了した。この日は、新作『TUTTI』と6月28日にリリースされたベスト盤からの選曲が多く、聴き覚えのある曲が満載で、とても楽しめる内容だった。

メンバーがステージを去るとすぐさま会場では「ハートビート」のフレーズでアンコールを乞う大合唱が起こる。嬉しさのあまり目を潤ませながらメンバーが再び登場。アンコールでは、ライヴで初めて演奏するという「きらり」のほか、「トワイライト」「いつまでたっても」を披露。再アンコールでは、「ハミングライフ」のレコーディングに参加した東京ハミングスの4人も登場し、会場全体で「ハミングライフ」を大合唱。歌い終えた後、口では強気なことをいいながらも松本は感動のあまり号泣。子供のように泣きじゃくる松本を微笑ましく見守るファンの目も、感涙に溢れていた。

メジャー・デビューから5年。ブルーハーツに憧れてバンドを結成した少年達は、上京後の孤独感に耐え、音楽でメッセージを伝えようと試行錯誤を繰り返しながら、夢を叶えるべく努力を重ねてきた。そして遂に日本武道館という大舞台に立った彼らの勇姿は、今でも頭の中にはっきりと映し出される。自分達の音楽を信じてまっすぐに進み続ける5人の勇者たちを、これからも見つめ続けたい。

GOING UNDER GROUND tour<TUTTI> 7/6 日本武道館
01.パスポート
02.Happy Birthday
03.グラフティー
04.キャンディ
05.口笛どろぼう
06.ノラ
07.VISTA
08.愛をちょうだいな
09.シグナル
10.南十字
11.かよわきエナジー
12.センチメント・エキスプレス
13.ステップ
14.ショートバケイション
15.ハートビート
16.グッバイベイビー
17.STAND BY ME
<アンコール>
18.きらり
19.トワイライト
20.いつまでたっても
<Wアンコール>
21.ハミングライフ
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