<FRF'06>躍動感溢れる前向きな力強さ! KTタンストール

ポスト
イギリスのグラミー賞とも呼ばれる<ブリット・アワード2006>で、最優秀女性ソロ・アーティストを受賞。すでに世界でのアルバム・セールスは250万枚を突破するなど、まだデビュー盤1枚をリリースしただけではあるが、KTタンストールはその実力を高く評価されている正統派女性シンガー・ソングライターだ。スコットランド出身ながら中国系の血を引くという彼女は、東洋的な面影と美しい黒髪を持っている。そんな彼女のルックスに引かれてか、“I LOVE YOU KT”“MARRY ME KT”の手製カンバンを用意するファンの姿も……。

“コンニチハ、KTタンストール デス”と日本語MCでスタートしたライヴはしっかりした意志を感じるセクシーで力強いハスキー・ヴォイス、アコギをかき鳴らし、髪を振り乱しながら激しくボディ・パーカッションを決めるその姿に、かつて同じグリーン・ステージで観たPJハーヴェイやパティ・スミスの面影さえ脳裏に浮かんだ程だ。力強いヴォーカルと演奏を見せながらも、大舞台への出演に初々しさも残していたKT。英米での評価に比べ、日本での知名度はいまいち、昼間の早いステージだったこともあり、モッシュピット内にもスペースができる程の客入りではあったがヒットシングルの「サドゥンリー・アイ・シー」や“ウー・フー♪”のコーラスが印象的な「ブラック・ホース・アンド・ザ・チェリー・ツリー」では、歓声が上がるなど、着実にファンベースは築きつつあるようだ。

新世代ロック・バンドが次々と登場して、活性化しているUKの音楽シーン。しかし、こと女性アーティストに関して言えばアメリカや日本のように女性が活躍しているとは言い難いのも事実だ。そんな状況をあの力強い歌声と音楽にも人生にも前向きな姿勢で打破してほしいものだ。



取材・文●suepyon
写真●Masanori Naruse(上)、BARKS(下)

7/30 GREEN STAGE

1. ANOTHER PLACE TO FALL
2. OTHER SIDE OF THE WORLD
3. UNDER THE WHEATHER
4. MINIATURE DISASTERS
5. BLACK HORSE AND THE CHEREE TREE
6. UNIVERSE & U
7. FALSE ALARM
8. STOPPIN THE LOVE
9. SUDDENLY I SEE

FUJI ROCK FESTIVAL '06特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000025344
この記事をポスト

この記事の関連情報