<RIJF2006>Cocco、南の島の孤高の歌姫が鮮やかに蘇った夜

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昨年のRIJFには、SINGER SONGERで登場したCocco。今年はソロで出演し、GRASS STAGE2日目のトリを飾るということで、かなり注目を集めていた。そして当然会場には、あの南の島の歌姫のソロライヴを観られるということで、大きな期待を胸にたくさんの人たちが集まっていた。

オーディエンスの期待感が高まる中、花柄の黒いワンピースに身を包み、両手を挙げながら元気よくCoccoが登場。6月にアルバム『ザンサイアン』をリリースし、7月から8月にかけて全国ツアーを行なうなど、復活後は精力的な活動をしている彼女。本日のライヴにも気合いが入っているようだ。

1曲目の「強く儚い者たち」のイントロが始まると、それだけでオーディエンスは歓声を上げる。一言一句、大切に愛でるように歌い上げるCocco。細い体をユラユラ揺らしながら歌う姿が美しい。続いてソロ復活曲となった「音速パンチ」を披露。開放感溢れるロック・チューンで会場を沸かせた。

曲が終わるとCoccoがポツリポツリと話し出す。昨年はSINGER SONGERでRIJFに出たという話から、本日手首につけている赤いブレスレットの話へ。5~6年前にベーシストでありCoccoの作品プロデュースも務める根岸孝旨からもらったが、ずっとつける機会がなく、音楽の世界に戻ってくるときに一緒に連れて行こうと思っていたとのことだ。“今日つけることができてうれしい”と素直な心境を語った。

「Swinging Night」では、Jazzっぽいサウンドに合わせてアダルトな雰囲気を漂わせながら、色っぽく体をくねらせて歌う。「樹海の糸」や「Raining」といった懐かしいナンバーも披露してくれ、感動の波が押し寄せた。その後のMCで、“今は1分でも1秒でも長く歌いたい。大事に生きたいと思うから”と涙声で語り、思わず会場もつられて涙ぐみそうになる。が、その後、オーディエンスを指差しながら“オマエなんかもがんばれよ”とシレッという彼女に会場は大爆笑。Coccoが持つこの独特のテンポ感が好きだ。

この日は彼女のデビュー曲「カウントダウン」まで披露してくれ、まさに感無量。体から絞り出すような彼女の歌声に、背筋がゾクゾクした。伸びやかに、そして高らかに歌う彼女は、シリアスで情念的だった以前のイメージとは違い、心が解き放たれたかのような開放感いっぱいのライヴを見せてくれた。再び音楽シーンに舞い戻った彼女が、次はどんな新たなサウンドでリスナーを魅了していくのか、楽しみでしょうがない。

写真●TSUKASA/文●菅原麻紀

セットリスト@<ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2006> GRASS STAGE 2006.8.5
1.強く儚い者たち
2.音速パンチ
3.Swinging night
4.陽の照りながら雨の降る
5.樹海の糸
6.Raining
7.カウントダウン
8.愛うらら
9.ガーネット
10.焼け野が原
11.Happy Ending
12.流星群

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2006 特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000025727
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