限りない優しさと激しさがそこに…中村 中のライヴレポ

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今、各方面から高い注目を浴びているシンガー・ソングライター、中村 中。今年の9月に性同一性障害であることを告白し、その後ドラマでは同障害を持つ役も務めるなど幅広いジャンルで果敢な挑戦を続けている。そんな彼女が11月17日にSHIBUYA DUOにて行なわれた<KDDI DESIGNING STUDIO LIVE RECOMEND MUSIC IS THE ANSWER!!! VOL.1>に出演し、ライヴを行なった。(■大きいサイズのライヴ写真はこちら!

この日は全3アーティストが出演する中、彼女はトリとして登場した。彼女のステージが始まる頃には椅子席はおろか立見の観客が会場中に溢れ、彼女の注目度の高さをうかがわせた。この日は、アカペラで歌いあげたカヴァー曲「カスバの女」でライヴがスタートし、デビュー曲「汚れた下着」や最新シングル「私の中の「いい女」」など全7曲を披露した。

アカペラで披露した昭和30年代の曲「カスバの女」では驚くほどの艶っぽさを見せてくれたが、続く「汚れた下着」では一転して彼女の中で激しく渦巻く感情が一気にその窓を開けた。天使の顔も悪魔の顔も見せるかのような豹変ぶりは、まるで彼女の人生を物語っているかのようで、その奥深さに会場中のオーディエンスは完全に魅了されていた。

彼女がピアノを引きながら歌った本編ラストの「友達の詩」では、その果てしない切なさと愛情深さを前に、会場中の誰もが身動きも取れずに静まり返り、ただ耳を傾けた。そして曲が終わった瞬間には、大きな拍手が割れんばかりに鳴り響き、彼女はその感謝の気持ちが手にとって分かってしまうほど丁寧にオーディエンスへ礼をして、ステージを後にした。

彼女のパフォーマンスには、彼女だからこそ分かる“優しさ”や“激しさ”が隠すことなく表現され、2面性とも思えるほどのその振り幅の広さは人を愕然とさせる。彼女自身や人生全てをさらけ出す命を懸けた彼女のパフォーマンスは、これからより多くの人の心を揺さぶるに違いない。

今後彼女は、来年の1月1日に1stアルバムをリリースし、来春に始まる舞台『ヘドウィッグ・アンド・ザ・アングリー・インチ』にはイツァーク役で出演する。


<SET LIST>
1.カスバの女
2.汚れた下着
3.私の中の「いい女」
4.駆け足の生き様(1stアルバム収録予定)
5.風の街を捨てて
6.友達の詩
----アンコール----
7.さよなら10代(1stアルバム収録予定)
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