KOTOKO、3rdアルバム『UZU-MAKI』リリース・インタビュー

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──KOTOKOの過去・現在・未来を集約させた3時間半に及んだ12/1の横浜アリーナでのライブ。この日は詰めかけた満員の観客たちへ、興奮と感動のドラマを魅せてくれましたね。

KOTOKO:ここへ至るまでのKOTOKOとしての足跡と持てる力をすべて魅せようと、ステージを制作。今の私が表現でき得る想いを詰め込めたコンサートになった実感は、私自身も感じています。ただ私の場合、表現している曲調が本当に多彩じゃないですか。その違った表情を、どう一つの流れとして物語化していくのか…というのは、正直作りあげるまでは大変な作業でした。

──本編でも、内性的かつ激しい生音な表情から、突き抜けゆく開放的なデジタル・スタイル、さらには耽美な嘆き歌やロマンティックな物語作までと多彩な音楽性を提示してましたが。さらにデジタル系ヘヴィロック・スタイルから、キュンキュン胸が萌えゆく電波系ナンバーまでもが飛び出してきたのには、嬉しい驚きでした。

KOTOKO:ヘヴィな表情であり、私のもう一つの顔でもある outerという姿。そしてゲーム作品等を通し描いてきたキュンキュン系という、私の中でもとくに両極にある姿も、ぜひみなさんへ観て欲しかったんです。その姿も披露できたことが、個人的には嬉しかったですね。

──初めて知る方のために、これまでの活動の軌跡も振り返ってみたいと思っています。

KOTOKO:最初はゲーム業界の方からお誘いを戴いたことをきっかけに、テーマ曲などを唄うシンガーとして活動をスタート。もともと生音的な趣向を持ってはいたのですが、当時はデジタルな音楽性を通し、お話を戴いた作品が持つ世界観の中へ、私自身い想いも投影しながら、多種多彩な曲調を表現し続けてきました。

──当時から、枠に縛られない多彩な楽曲を歌ってましたもんね。

 

KOTOKO:そうなんです。当時はゲーム業界を主軸に、ときにはアニメのテーマ曲なども歌わせて戴いてたんですけど。メジャーでのリリース話が出てきたことから、“KOTOKO自身の本質をより多くの人へ知ってもらうためにも”と、あえてメジャー第1弾となったアルバム『羽-hane-』では、生音や激しいギター・サウンドを主軸に据えた“ヘヴィーな音楽性”を提示していこうと決意しました。それまでがキュンキュンとした世界観だとしたら、ここでは“KOTOKOの内側にある想い”をリアルに描写。それまでのファンの方々からすれは、“メジャー第1弾なのに、なんでこんな暗いアルバムを!?”と思われたかも知れませんけど。次の階段を踏む上で、どうしても“私自身が…素のKOTOKOが本質的に持っている音楽性”をみなさんに伝えておきたかったんです。

──そんな内性的かつ重い表情を満載した1stアルバム『羽-hane-』とは一転、続く2ndアルバム『硝子の靡風』では、明るく開放的かつ、メロディックでデジタライズされた音楽性を提示していきました。

KOTOKO:1枚目へは強いこだわりを持って制作していったこともあり、2枚目ではもっと肩の力を抜き、“素直に良い曲”だけを集めていったんです。その結果完成したのが、フワリとしたポップな表情を満載した『硝子の靡風』というアルバム。現在のシングルで魅せるデジタリックで弾けたポップな表情も、この頃から強く描き出すようにもなっていましたね。

──心の内側を投影した『羽-hane-』、気持ちを外へ開放した『硝子の靡風』と続き、3枚目となる『UZU-MAKI』では、混沌とした感情渦巻きつつも突き抜けた開放性さえ描きあげた、大作映画並みの壮大な叙事詩が展開していきます。

KOTOKO:3枚目を作るに当たって、最初に想い浮かんだ言葉が“渦巻き”だったんです。渦巻きって、混沌とした雰囲気から、恐ろしいイメージや深遠な印象などを伝えてくれる…と同時に、渦巻きキャンディのようポップで柔らかい姿としても捉えられたりなど、両極なインパクトを与えてくれるじゃないですか。その言葉を、私のサウンド・プロデューサーでもある高瀬さんへ伝えたところ、彼が表題曲の『UZU-MAKI』を作ってきたんです。その楽曲を聴いた瞬間、“このアルバムは、この表情が根底を成すコンセプトだ”というのがハッキリと見え、そこから次々と楽曲を産み出す作業へ突入していきました。おっしゃられたような壮大な叙情詩…かはわかりませんが(笑)。私自身強く心がけているのが、“楽曲を聴いた瞬間に映像の見えてくる歌たち”ということなんです。この『UZU-MAKI』の中には、人の人生の表裏や波風、アップダウンな生きざまが、1枚どころか1曲の中でさえいくつも出てきます。そう考えれば、映画のようドラマチックな物語性を描きあげた実感は、私自身も抱いてますね。

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