タイナカサチ、1stアルバム『Dear...』インタヴュー

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1stアルバム『Dear...』をリリース

タイナカサチ インタヴュー

──バラードとなった4thシングル「会いたいよ。」が完成。別れた恋へ今なお強く想いを寄せる女性の心情を描写してますね。歌詞へと綴ったひと言ひと言が、とてもリアルに心へ響いてきます。

タイナカサチ(以下、サチ):ありがとうございます。普段の私って、歌詞にも書いたように意地っ張りなんですね。たとえどんなに逢いたい想いが募ろうが、けっして口には出さない性格。だけど今回大きな失恋を経験したときに、“自分の素直な気持ちを日記や手紙に綴るよう本音で書かなきゃ、今の私自身が本当に壊れそう”と強く思ったんです。ここまでプライベートな自分の気持ちを100%さらけ出して書いたのは、ホントこの歌が生まれて初めてでした。

──まだ未練を残している心模様も、歌詞の随所から見えてきますよね。

サチ:たとえ元に戻らない関係だとしても、それでも“会いたいよ”という気持ちをズッと胸へ抱えてるのなら、まずはその言葉を絶対に吐き出すべきだし。さらけ出した自分の気持ちへ素直に向き合うことで、きっと前へ進んでいける…そんな気がしたんです。

──“出せない手紙に想いを書いては、自分でその手紙を燃やしてしまう姿”。それって、すごくわかります。

サチ:現実を受け入れ、新しく前へ進みたいからこそ、一度想いをすべて書き出し、それを燃やさないと気持ちを白紙になどできなかった…ホント当時は、そんな心境だったんです。

──この楽曲は、昨年夏以降ライブでもずっと歌い続けてるそうですね。

サチ:独りよがりな想いを詰め込んだ楽曲として作りあげたぶん、初めて人前で披露するときは、受け入れてもらえるかどうか心配だったんですね。ところがライブで初披露したとき、この歌を泣きながら聴いてくれるお客さんがいたんですよ。私自身何度も何度も涙を堪えながら書いたこの「会いたいよ。」をライブで演奏するたびに、私と同じような気持ちで受け止め、泣きながら聴いてくれる人が増えていった。自分の想いを本気でぶつけた歌が、私以外の人たちの想いと重なり、共感という形で広がっていく。こんな嬉しい想いは、歌を歌っていなきゃ経験できなかったと思います。

──歌詞には、何度傷ついても恋をしたいと書いてるよね。また同じよう、つらく悲しい想いを経験するかも知れないんですよ。

サチ:だけど心が傷つくのも、一生懸命に恋をしたからじゃないですか。私の場合、何事も真正面からぶつかっていくぶん、その恋が壊れた場合、逃げ場がないくらい深く傷ついてしまう…。それでも、何度だって恋はしたいです。それが”人生のテーマ”と言いますか、夢と恋と愛が人生の中にないと、私は物足りないです(笑)。もちろん、何よりも音楽という存在が一番にあっての話ですけど。

──お互い本気で求めあってたはずなのに、なんで別れのときって来るんだろう。

サチ:すごく愛しあって、その人を独り占めしたくなって、毎日のようにその人のことを思ってるのに、そこにはやはり家族とは違う関係があるんでしょうね。だって家族なら、いくら喧嘩しようが、何日も口をきかなかったりしようが、絶対に切れない絆があるんだけど。恋人の場合、“別れよう”と言ったそのひと言をきっかけに、本当に翌日から一生逢うことのない人になってしまうことだってある。その現実がすごく不思議だし、儚いし…。この歌の主人公は、そんな現実を受け入れられずにいるんです。

──恋愛って、壊したくないからこそ、必死に互いの気持ちを引き合い続けていくものなのかもね。

サチ:壊れやすい関係だからこそ、繋がりあってるときは、お互いを大事にしあうのかもしれないですよね。崩れやすいからこそ、守りたくなってしまう…。それくらいの大恋愛を失くした後だからこそ、たとえ未練がましかろうと“会いたいなら会いたいって歌にしよう”と思ったんですよね、当時の私は。

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