小さな体から放たれる奥華子の存在感…C.C.Lemonホール

ポスト
小さな体から放たれる大きな存在感。改めてそう感じた奥華子2度目となる渋谷C.C.Lemonホールの公演は、前回と同様にキーボードとグランドピアノと奥華子のみ、つまり弾き語りで臨むシンプルな構成。

結果的にはこの日の彼女は、弾き語りのみで2,000人を超える観客を引き込んでしまう世界を作ることに、見事に成功していた。逆にそのシンプル極まりない構成が、奥華子の本来の魅力である歌、そしてメロディーを届ける役目を充分に果たしていた。

それほど凝ったアレンジメントが施された楽曲は彼女の作品にはあまりなかったが、「ガーネット」「僕が生まれた街」など比較的新しめの楽曲はより一層歌の強さを際立たせており、「Rainy Day」「魔法の人」「笑って笑って」などかねてから演奏され続けてきた楽曲も、路上での弾き語りの雰囲気そのままでいながら、クローズドの空間でまた違った魅力を伴って心に届いてきた。

圧巻は彼女のメジャーデビュー曲だった「やさしい花」。路上で聴く、広い空に吸い込まれていくようなこの曲ももちろん良いのだが、ホールの空間に響き渡る彼女の透明な声はこの楽曲が持っている本来のパワーを2倍3倍に増幅し、段違いの感動度をもって届いてきた。

この1曲を聴くためだけに来場したとしても、損はなかったと言える。


1.タイムカード
2.ガーネット
3.そんな風にしか言えないけど
4.恋の天気予報
5.僕が生まれた街
6.その手
7.片想い
8.プレゼント
9.Rainy Day
10.さよならの記憶
11.恋
12.やさしい花
13.変わらないもの
14.そんな気がした
15.桜並木
~アンコール~
16.魔法の人
17.笑って笑って

文●俊太ベイビー
この記事をポスト

この記事の関連情報