ムック、初のベスト・アルバム2作同時リリース記念特集【Interview】

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ヴィジュアル系、好きなんですけど、嫌いな部分も正直ある。(ミヤ)

――ムックの歴史の一端をひも解くということで、まずは出会いを改めて振り返りましょう。

逹瑯(Vo):俺が、友達のバンドからサポートで歌ってくれって頼まれて出たライヴで、そのときの対バンの友達だったみんなも来てて。その打ち上げで、この並び(この取材時の座席順、逹瑯、ミヤ、SATOちの並び)でいたんですよ、居酒屋で。そういう打ち上げの場って、バンドとかやってるヤツが集まってくる定番じゃないですか。そこで“俺らも一緒にやってみようか”って話になり、って感じですね。

――始まりは、バンドマンの定番の場所って感じですね。でもそれ、時期的にはたしか高校時代のはずですけど、居酒屋って……(苦笑)。

逹瑯:じゃあ、カフェで(笑)。

ミヤ(G):もう、時効でしょう。

逹瑯:だな。水戸は、条例で大丈夫だったんです(笑)。YUKKEと初めて会ったのも、(地元・茨城県の)桜川の土手だよな?

――えっ!? 土手、って……?

逹瑯:土手で打ち上げ、ですよ(笑)。

ミヤ:夏だったんで、気持ちいいんで。そこにみんなで、いろいろ飲み物とか買ってって。

――あ、なるほど。ビアガーデン的な(笑)。当時、音楽的な面ではどうですか? フォーキーなテイストとか、それとはある種対照的なラウド系テイストとかは、初期の頃からムックの個性にはありましたよね。昔はパンクとかメロコア系が好きだったSATOち君から見て、当時のムックにはどんな印象が?

SATOち(Dr):やっぱり、そのぉ……。メロコアとかもそうだし、その頃俺が聴いてたヤツは、メロディがいいから聴いてたっていうのがたぶんあって。なんで、ムックもそのメロディがいいっていうのが、俺ん中ではあったんで。“やってやるぞ!”みたいなのは、ムックに入ったときはやっぱ思ってましたよ。

――メロディ志向っていうポイントは、今も昔も変わらない要素ですね。その表現の仕方が変化、進化してきたとしても。

逹瑯:けど、ムックって、こう……。当時のヴィジュアル系の中でも、異質だったと思うんですよ。流行りものがあんま好きじゃなかった、というか。みんなと同じものじゃ嫌だなっていう性格は、あったんじゃないですかね。それを知ってて取り入れないのと、知らないで乗り遅れてるのは違うと思うんですけど。

ミヤ:ヴィジュアル系、好きなんですけど。好きな部分もあるし、嫌いな部分も正直あるし。ヴィジュアル系のスタイル、っていうか。だから、そういうものをある意味逆手に取って、こういうことをヴィジュアル系の中でやってるから面白いとか。新しいとか。そういう考えのもとにやってたんで、ずっと。

パントマイムやってるっぽいよね、とか(笑)。(YUKKE)

――まわりの状況をちゃんと見れる視野を持った上で、自分たちだけの色を作るというか。

ミヤ:そうですね。ヴィジュアル系ってやっぱ、楽しめる。エンターテインメント的な面で面白さがあると思うんですよね、まず。視覚的にも楽しめるし。そういうところはヴィジュアル系の好きなところなんですけど、正直、嫌いなところもあるし。そういう意味で、面白いのが……。昔のYUKKEとかも、たぶん、ある意味ヴィジュアル系には見えなかったと思うんですよね。“何をやってる人ですか……!?”って、人から聞かれたりするような(笑)。

YUKKE(B):昔、よく言われたのは……。パントマイムやってるっぽいよね、とか(笑)。

――当時、よっぽどスゴいヴィジュアルだったんですね(笑)。でも、そういうスタイルもありっていうムックが、シーンの中では昔から異質だったかもしれないっていうのはよく分かります。視覚的にも、音楽的にも。

逹瑯:こだわるところはこだわってるし、昔っから。逆に、ここはフラットでもいいかなっていうところも、たくさん……。昔だったら考えられないくらい自由な、フラットなところも、今はたくさんあると思います。

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