萬Z(量産型)&manzo、『萬Z。Best』インタビュー

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■INTERVIEW

――アレンジするときの着想はどこから?

マンゾー:イメージからということが多いです。たとえばこの曲ならこんなTV番組でこんな衣装着てカッコつけて歌ってるかな、とするとコードもおしゃれにするか、とかそういう発想。音頭モノなんかだとクレイジーキャッツみたいなイメージですね。演奏はタイトでしっかりしてるけど、なんか歌はくだらない、みたいな。「21st...」はポルシェのサークルさんに書いた曲なんで、メカニックな感じという発想で歌を機械的に加工してるんです。でもこれ元々はバラードで、デヴィッド・フォスターみたいな曲にしたかったんです。でもあまりにそのまんまになっちゃって、これじゃオレがやる意味がないな、ということでアップテンポにした。そんな感じなんで、なんらかの音楽に特化してるとかじゃなくて、やりたい音楽があったらその音源を聴いて研究するという感じなんですね、全部。プロのアレンジャーには怒られるだろうけど(笑)。

――色々なジャンルの曲があるのに統一感があるのが不思議。

マンゾー:萬Z、manzoにそれぞれどんな歌を歌わせるかっていうのを、作家のmanzoがプロデュースする、っていうのはいつも意識しています。あくまでジャンルやスタイルは枝葉でしかないんです。逆にプロのアレンジャーに頼んだりすると、たぶん悪い意味で全部本物になって、結局何がやりたいかわからなくなる。僕は全部が全部トップクラスまでできないんで、どこか抜けてるんですよきっと。だから偽者くさいというか、どこを見ても、なんかウソくさいという統一感があるのかもしれない(笑)。

――この作品でキーになった機材ってある?

マンゾー:マイクプリアンプですね。コンデンサーマイクで録音するときに使うヤツなんですけど。これをランクアップしてみたら、歌の抜けが格段によくなった。自分の歌をそのままの形で録音することが、こんなにも大事かと痛感しました。そのかわり、自分でも気がつかなかった歌の下手さとか、ここはもっと大事にしなきゃいけなかった、というのもわかっちゃって、だいぶ落ち込みました(笑)。あと歌のコンプレッサーとEQにも気を遣いましたね。これって難しいから素人が手を出すものじゃないと言われてますけど、僕はもう始めたら止まらないんで、ちょっとしたデモを作るんでも、とことんいじっちゃう。コンプとEQ、リバーブ、この三種の神器は40歳になる前に使いこなせるようになりたい。一昔前ならこんな機材には手が出ないけど、今はPCでそれと同じくらいの環境が整っちゃう。できる環境なんだったら、オレもミュージシャンを名乗る以上はやらなきゃと思うんです。

――マンゾーさんはマルチプレイヤーだけど、どんな楽器で作曲するの?

マンゾー:作曲は楽譜でやるんで、楽器は使わないんです。これもイメージから作ることが多いんです。まず目をつぶって、たとえばTVならどんな番組で歌ってるか、どんなセットでどんな衣装、どんなカメラワークで、とかを想像して、だったらアップテンポで45秒くらいでサビが来て、じゃあイントロはこんなで、とか考えると、テンポとかリズムが決まってくるんです。そうするとあとはそれをまとめていくだけなんで。レコーディングでは、ギターソロだけ頼んだのはありますけど、ほぼ全部自分でやってます。

――どの曲も突き抜けて明るい。マンゾーさんの日常って?

マンゾー:うーんどうだろう。色々な意見はありますが、しゃべってて愉快な人だよね、というのはわりと付き合いが浅い人ですね。付き合いが深い人は、説教くさいとか酒癖が悪いとか。とにかくちょっとアゲインストな意見が多いですね(笑)。

――ライヴをやる予定は?

マンゾー:やりたいんですけどねえ。僕、友達いないんで誰か紹介して欲しいくらいですよ。ここんとこ自分のライブはやってなくて、先日は桃井はるこさんのお手伝いで渡米していたんですけど、帰ってきたらやりたくてしょうがないですね。

――ライヴだと楽器は何をやるの?

マンゾー:自称ベーシストです。ボーカルが一番苦手なんですよ。いつもボーカルの横とか後ろで鍵盤かベースなんで、そのポジションがいちばん落ち着くんです。でもmanzoだと真ん中に出なきゃいけないんで、ライヴは緊張しますね。僕は10代の頃マルチプレイヤーを目指してたんですが、結果的にどれもうまくならなかった。ただ、自分が作った楽曲を表現できるところまでは来てると思う。だから一度やってみたいのは、全部の楽器を置いて、Aメロは鍵盤、Bメロでベース、サビは歌う、みたいな。それもなんかオレっぽいなと思う。そういう下品なことやってる人あんまりいないしね。

――今後はどこを狙ってる?

マンゾー:今思ってるのは、「日本ブレイク工業社歌」がTVで取り上げられる前の状態に戻りたいということ。というのは、その前は職業作家だけをやっていて、社長の石川に“人を温かくさせる曲を書いて欲しい、君はそういうのができる”と言われて、それでいっしょに会社をやるようになったんです。だから、今のアド・アーティストじゃなく、純粋に楽曲で勝負したいという衝動が今すごくあります。それと、自分自身がびっくり箱でいたいと常に思ってます。manzoさんてロックっぽいよねって言われると、次はロックじゃないことをやったり。もちろんそういう評価がいやなわけじゃなくて、色々違うことを見せてびっくりさせたいんです。ミュージシャンとかものを作る人間が、上から目線で提供してやってるぞ、という発想はいけないといつも気をつけているんです。お客さんあってのことなんで、喜んでもらってナンボ。だからコンプやEQいじるにしてもアレンジするにしても、何のためにやってるかっていうのは意識しないとね。

取材・文●田澤 仁

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