[短期集中全力レポート] Dir en grey in Europe 2007 デンマーク編(1)

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8月7日の深夜にストックホルムを出発したツアー・バスは、途中、フェリーで海を渡り、翌朝にはデンマークに入国。8月8日の午前11時にはコペンハーゲンにあるライヴ会場、VEGAに到着していた。そこにも当然のごとく、徹夜で並んでいたと思われるファンの群れがいた。今回のツアー中、毎日のように目にする図なのですっかり慣れてしまったが、訪れる先々でこのような光景が待っているというのは、冷静に考えてみれば本当にすごいことだ。

昼間の空き時間に某メンバーとほんの少しだけ街のなかを散策してみたところ、あちこちでファンと遭遇。この国の若者たちには奥ゆかしいところがあるのか、みんなフェイヴァリット・バンドのメンバーとの遭遇に驚きを隠せない表情で握手を求めたりはするものの、ヒステリックにわめいたりするファンは皆無。なかには「うちの子が大ファンなのよ」なんていうお母さんもいたりして、なんだかのどかな気分にさせられた。

また、そんなふうにして歩いている途中、彼らが今夜プレイするVEGAという会場の公演告知ポスターを街角で発見。BLONDIEからDINOSAUR JR、PARADISE LOSTに至るまで、実にさまざまなタイプのアーティストが出演している場所であることが確認できた。

バンドは前日のストックホルムで集中的にたくさんの取材を消化していたこともあり、本日はインタビューや撮影の類はなく、昼食後はサウンドチェックに集中。その際、ステージ上で演奏されていた曲たちのなかに、1曲だけ耳慣れぬものが含まれていたことを一応ご報告しておく。どういう意味なのかはご想像におまかせするが、念のため断っておくと、その曲はこの夜のライヴで演奏されたわけではない。

そして午後7時の開場を経て、8時20分には今回のツアーのスペシャル・ゲストであるFAIR TO MIDLANDの演奏がスタート。そのときDir en greyのメンバーのうち何人かは、楽屋ではなく、客席にいた。閉鎖されていたバルコニー席から、オーディエンスに気付かれずにステージを観ることが可能だったからだ。ずっとツアーを共にしていても、共演相手の演奏をじっくりと観られる機会というのは、なかなか得られないもの。

メンバーたちは、独特の浮遊感と尋常ではないテンションの高さを併せ持ったFAIR TO MIDOLANDのライヴ・パフォーマンスを、心底楽しんだようだった。この場で彼らの1stアルバム、『Fables From a Mayfly:What I Tell You Three Times is True』を、僕からも強くおススメしておく。

文●増田勇一
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