MySpaceが生んだクリスタル・キャッスルズを要チェック

MySpaceのページを開けば飛び出す、顔を剥ぎ取ったクールなアーティスト写真、人を食ったプロフィール、そして前代未聞の攻撃的な打ち込みビート。イーサンとアリスによる2人組クリスタル・キャッスルズは、その顔を一切公開しないことから、「警察から指名手配されている」という噂まで囁かれる始末…。
2人が本格的に音楽を作り始めたのは2004年の夏。イーサンが8ビット・プロセッサーや昔のシンセサイザーを使って書いた曲にアリスがヴォーカル・パートを書いた5曲をレコーディングするために、スタジオ入りしたのがきっかけ。
しかし出来上がったCDに入っていたのは、なぜか6曲。なんとスタジオのエンジニアが気に入って勝手にCDに入れたという6曲目は、アリスのマイク・テストだったらしい。その曲をイーサンは「Alice Practice」と名付け、MySpace にアップ。するとクラクソンズを最初に世に送り出したロンドンのメロック・レコーズから電話があり、500枚の限定7インチを出すことに決定。これがまた3日間で完売してしまい、そこからクリスタル・キャッスルズの狂騒が始まることになるのだ。
そんな彼らの生身の姿を拝めるライヴは、当然ながら大混乱。レディング/リーズ・フェスティバル、NMEツアー等、全米や欧州でのライヴも大盛況で、彼らのライヴが動画共有サイトにアップされるや否や、さらなる旋風が巻き起こる始末。最近ではコンピレーション『Kitsune Maison 4』にも楽曲が収録され、この謎の男女に俄然注目が集まっている状況下にある。
クラクソンズとの繋がりからニュー・レイヴの新しいバンドと思われがちだが、本人曰く「ニュー・レイヴについては何も知らない。知らないシーンの一員になることは出来ない」とコメント。自らの音楽を「ヘビがファックしてるような音楽」と評しているが、まぁ、つまりは絶対的にオリジナルであることを主張しているのでしょうか。そして“変化”…それが彼らを突き動かしているようだ。
影響を受けたバンドに、2 Live Crewやブラック・メタルの面々に加えて、Velvet Underground、Stooges、Joy Division、New Order、Sonic Youthといったアーティストの名前を挙げているクリスタル・キャッスルズ。それぞれの音楽性が云々ではなく、これらのバンドがやはり「オリジネーター」であったことが重要なのでしょう。
時代の最先端に躍り出クリスタル・キャッスルズ、12月に初来日。自らの目と耳で、彼らを体験してください。
<クリスタル・キャッスルズ ニュー・ブラッドvol.55>
日時:12月12日(水)18時開場 19時開演
会場:原宿アストロホール
チケット発売日:11月10日(土)
マイスペース
http://www.myspace.com/crystalcastles
この記事の関連情報
デヴィッド・ボウイ、イギー・ポップらと共作したギタリストのリッキー・ガードナーが死去
ブリング・ミー・ザ・ホライズン、ニック・ケイヴ、ルイ・トムリンソンら、ロシア公演を中止
エディ・ヴェダー、イギー・ポップ、ビリー・コーガンら、マーク・ラネガンを追悼
イギー・ポップ、ポーラー音楽賞を受賞
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのトリビュート盤からイギー・ポップが再構築した「European Son」公開&生産限定イエロー・バイナルも
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、新ドキュメンタリーの予告編公開
マネスキン、イギー・ポップとコラボした「I Wanna Be Your Slave」をリリース
ニュー・オーダー、SG「ビー・ア・レベル」リミックス集を8月27日に発売&アーサー・ベイカーによるリミックスがデジタル配信中
ドクター・ロニー・スミス、イギー・ポップとのコラボ曲「サンシャイン・スーパーマン」配信開始
