KREVA、驚愕の2days日本武道館を完全制覇
10月18日の広島公演からスタートした<KREVA CONCERTTOUR '07~K-ing~>も、いよいよ11月23日、24日の日本武道館2DAYSでファイナル。“ゲスト・デイ”の初日は、予想を遥かに上回るスケールで熱い嵐が吹き荒れたのであった。
前半はお馴染みのライヴ・メンバーであるBLAST RAMPAGEの千晴&FU-JIとKREVAが絶妙なコンビネーションを轟かせ、「ストロングスタイル」「THE SHOW」「H.A.P.P.Y」など、多彩な楽曲がイキイキと躍動。そして、中盤からはスペシャル・メニューが連発されていった。
盟友CUEZEROと共に展開したブロックで披露された「トリートメント」にはDABO、「ファンキーグラマラス」ではMUMMY-Dが合流。「M☆A☆G☆I☆C」では、まさかの久保田利伸の参戦にお客さん達は大熱狂。「今日だけでいい」では、KREVA×SONOMI×ALI-KICKの黄金のトライアングルがキラリ。「くればいいのに」では草野マサムネが切ない歌メロディを唄い上げ、ついにオリジナル・ヴァージョンでのライヴ・パフォーマンスが実現…と、滅多に観られないメニューが盛りだくさんだったのだが、KREVAの本領発揮である“ラップ”ということに関して最高潮だったのは、本編ラストに披露された「アグレッシ部」だ。
まずはいつもの通りKREVA1人で歌われたのだが、なんと予想外の延長戦に突入した。KOHEI JAPANとSHINGO☆西成がステージ上に現れ、3MC編成のラップがスタート。これはアルバム『よろしくお願いします』のボーナス・トラック「アグレッシ部(Remix)」の生パフォーマンスだ。凄腕の3人が抜群の切れ味の言葉を撃ち放ってゆく様は、日本最高峰のラップをギラギラ煌かせていた。
そして、“ノン・ゲスト・デイ”の2日目。開場早々にホールの中に入ると、ステージ上ではDJが軽快にターンテーブルを回していた。“あのDJは何処かで見たことがある気が…”と迷うまでもなく、そこにいるのはどう考えてもKREVA本人。まだ開演まで1時間近くあるというのに、DJ908=KREVAがステージ上にいることが俄かには信じられない様子のお客さん達。しかし、みるみる内に心地よいビートに惹き込まれ、身も心もウキウキと温めていったのであった。
そんな豪華なお出迎えを経て本編がスタート。ステージ上に登場したのは勿論KREVAのみだ。普段ならば後方から彼を支えるDJ SHUHOもサンプラーを操る熊井吾郎もいない。ステージ上にズラリと並べられたターンテーブルやサンプラーを素早く操作しながらビートを織り上げ、KREVAは次々とラップを放っていった。
とりわけ盛り上がったのは「国民的行事」だ。この曲を組み立てるコーナーのタイトルは“国民的料理”。KREVAはエプロンを着用し“料理人の呉萬福(クレ・マンプク)”に扮する。“何処の家庭にもあるはずのモーツァルトの「アイネクライネナハトムジーク」とブレイクビーツを用意し、調味料としてサンプラーを加えて…”といった具合に、料理番組のような語り口で作業を進める彼の姿に、会場全体が拍手喝采であった。
このようなラップ&トラック構築の独演ライヴは、おそらく世界初。その斬新さは勿論特筆すべきものだ。しかし、観ていて何よりも心を打ったのは、KREVAの姿から自ずと溢れ出していた奥行き深い物語だ。普段のステージでは余裕と貫禄のスーパー・ラッパーぶりが炸裂しているが、この日の彼が見せてくれたのは、自身が設定した高いハードルにガムシャラに挑む生々しい姿であった。
リリースやライヴを重ねる毎に着実にパワーアップしてきただけに、我々リスナーに意識させることはあまりなかった気もするが、彼のこれまでのキャリアは、自分を一切甘やかさない鍛錬の日々以外の何物でもなかったはずだ。作りたい音、表現したい想い、至上のラップを形にするために全身全霊を捧げている男の赤裸々なドキュメンタリー。それがこの日のステージであったように思う。
目の当たりにした全てのお客さんが、KREVAへの愛情を深めたことだろう。そして、この体験によって一気に逞しくなったKREVAは、まだまだとんでもなく凄いラッパー、トラック・メイカー、アーティストとなってゆくはずだ。
田中大
盟友CUEZEROと共に展開したブロックで披露された「トリートメント」にはDABO、「ファンキーグラマラス」ではMUMMY-Dが合流。「M☆A☆G☆I☆C」では、まさかの久保田利伸の参戦にお客さん達は大熱狂。「今日だけでいい」では、KREVA×SONOMI×ALI-KICKの黄金のトライアングルがキラリ。「くればいいのに」では草野マサムネが切ない歌メロディを唄い上げ、ついにオリジナル・ヴァージョンでのライヴ・パフォーマンスが実現…と、滅多に観られないメニューが盛りだくさんだったのだが、KREVAの本領発揮である“ラップ”ということに関して最高潮だったのは、本編ラストに披露された「アグレッシ部」だ。
そして、“ノン・ゲスト・デイ”の2日目。開場早々にホールの中に入ると、ステージ上ではDJが軽快にターンテーブルを回していた。“あのDJは何処かで見たことがある気が…”と迷うまでもなく、そこにいるのはどう考えてもKREVA本人。まだ開演まで1時間近くあるというのに、DJ908=KREVAがステージ上にいることが俄かには信じられない様子のお客さん達。しかし、みるみる内に心地よいビートに惹き込まれ、身も心もウキウキと温めていったのであった。
そんな豪華なお出迎えを経て本編がスタート。ステージ上に登場したのは勿論KREVAのみだ。普段ならば後方から彼を支えるDJ SHUHOもサンプラーを操る熊井吾郎もいない。ステージ上にズラリと並べられたターンテーブルやサンプラーを素早く操作しながらビートを織り上げ、KREVAは次々とラップを放っていった。
とりわけ盛り上がったのは「国民的行事」だ。この曲を組み立てるコーナーのタイトルは“国民的料理”。KREVAはエプロンを着用し“料理人の呉萬福(クレ・マンプク)”に扮する。“何処の家庭にもあるはずのモーツァルトの「アイネクライネナハトムジーク」とブレイクビーツを用意し、調味料としてサンプラーを加えて…”といった具合に、料理番組のような語り口で作業を進める彼の姿に、会場全体が拍手喝采であった。
このようなラップ&トラック構築の独演ライヴは、おそらく世界初。その斬新さは勿論特筆すべきものだ。しかし、観ていて何よりも心を打ったのは、KREVAの姿から自ずと溢れ出していた奥行き深い物語だ。普段のステージでは余裕と貫禄のスーパー・ラッパーぶりが炸裂しているが、この日の彼が見せてくれたのは、自身が設定した高いハードルにガムシャラに挑む生々しい姿であった。
リリースやライヴを重ねる毎に着実にパワーアップしてきただけに、我々リスナーに意識させることはあまりなかった気もするが、彼のこれまでのキャリアは、自分を一切甘やかさない鍛錬の日々以外の何物でもなかったはずだ。作りたい音、表現したい想い、至上のラップを形にするために全身全霊を捧げている男の赤裸々なドキュメンタリー。それがこの日のステージであったように思う。
目の当たりにした全てのお客さんが、KREVAへの愛情を深めたことだろう。そして、この体験によって一気に逞しくなったKREVAは、まだまだとんでもなく凄いラッパー、トラック・メイカー、アーティストとなってゆくはずだ。
田中大
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KREVA
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CUEZERO
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