BUMP OF CHICKEN、『orbital period』インタビュー

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28年ごとに訪れる不思議な宇宙の法則を
ロックミュージックとして昇華した奇跡の一枚
究極の最新アルバム『orbital period』
遂に12月19日リリース

アルバム『ユグドラシル』から3年4ヶ月を経て放たれる、BUMP OF CHICKENのニューアルバム『orbital period』。天体用語の“公転周期~太陽章”というワードを冠した『orbital period』は、これまで幾つもの“BUMP楽曲が棲む世界”を提示してきた彼らが、その頭脳と音楽的スキルをすべて注入した濃縮世界アルバムとなった。むろん、最高傑作だと断言できる。

藤原基央:アルバムとしてまとまるんじゃないかっていう空気感は、ここ数ヶ月、バンド内にあった。僕らのホントに自分たちのやるべきことっていうのは、音楽を作って演奏することだけだと思ってるので。けど、それだけじゃCDはリリースできないから、ほかのところで僕らの信頼するスタッフさんたちが一生懸命進行してくれてるわけです。そうすると忘れた頃に、アルバムのリリースのことも考えて“ジャケットのデザインをしましょう”とか“曲順考えましょう”と(笑)。たしかそのセリフもスタッフから出たんですけど、そういうふうに“あ、そうだったね”みたいな感じで4人がやっとそこで自覚するみたいな。

直井由文:覚えてるのが、「ハンマーソングと痛みの塔」という曲があるんですけど……。それまでは「涙のふるさと」のときは始めからその曲しかできてなかったから、“じゃあとりあえずそれをシングルで出す”っていうことが決まって。「supernova」ができたときも、その2曲しかないので“シングルだ”ってなって(笑)。で、ある程度シングルが出揃ったあたりで、もうシングルを出すということをスタッフ・サイドから言われることもなくなった。たぶん、おのずと“アルバムを出せ”ってことですよね(笑)。「ハンマーソングと痛みの塔」ができたときに、“あ、これがアルバムとしての第1曲なんだろうな”という感覚はもちろんありました。それはフジ君が歌って、それを聴いてるときに“うわぁ、これすごいぞ”と思って。「プラネタリウム」から、その頃はどこまであったのか覚えてないですけど、「涙のふるさと」があるかないかのときくらい。

BUMP OF CHICKENというバンドの中に満ちる、気運と周期。彼ら4人がジャッジする“時間の境目”…それが音楽を通して『orbital period』となった。何という美しい事実なのだろう!?

升秀夫:基本的に僕らの中でシングル、アルバムっていうか、なんか自然発生的に曲が集まってアルバムになるものっていう。結果的にカタチになる。レコーディングの最後に藤原が「voyager」と「flyby」を書いてきて、それができた曲の最後ですけど。“これがアルバムだ”って、作ってもらったのを聴かせてもらったときに、それはホントに実感しました。“これが『orbital period』になるんだ”っていう感覚は、そこで湧いたな。

増川弘明:“アルバムを作ろうよ”って途中思ったことあったけど、“種類多くない?”って。「花の名」と「メーデー」を同時に出すっていうのは、スタッフさんからの話だったんですけど。ってことは、気づいたらロクロク(シングル6曲、新曲6曲)かみたいな、そんときはたしかそうだったんですけど、結果的にはそんなことはなくなってるんですけど。アルバム……やっぱスケジューリング的なもので自覚したり意識したりしますね。曲ができたらすぐ本番録って、それがすぐ何かしらになってみたいな流れが多いんで……。アルバムは逆にそれがないサイクルというか。3曲持ってきて、それから録り始めるとか。それもしばらく置いたり……。そういうやり方ってアルバムっぽいですね。

アルバム・ジャケットになったのは作品中に存在する楽曲「星の鳥」の具象だ。原型は、BUMP OF CHICKENのステージ後方にいつも掲げられる“BUMP FLAG”である。ということは、本作は彼らの真髄を表現しているのでもあろう。

藤原:『orbital period』というタイトルに絡めて、ずっと一緒にやってきたバンドのマーク(FLAG)をモチーフにしてどうこうできたらいいんじゃないかと。というぐらいの方向性はあったんですけど、ま、どうするかみたいなときに、なんか僕が紙と鉛筆をその場で借りて描いた絵が、きったない絵ですけど、それがジャケットの絵になっていったんですよ。マークにまつわるお話みたいなのを考え始めたら、そのお話が「星の鳥」というタイトルになったんですよ。それとは別でウチのディレクターが、シングル録ったときから“アルバム入るときはイントロ長くしたい”ってずっと言っていて。やりたいことはすごくよくわかったし、僕らもそういうものは好きだったので“やってみよう”っつうことで。要は「メーデー」の中で印象的に流れているアルペジオだけを抜いて、コード進行で表情が変わっていくもの、それが「星の鳥」なんですけど。「メーデー」のイントロが長くなるだけだから、「メーデー」の中にカウントされるんだろうなと思ったら、言い出しっぺの彼の中では“それで1曲なんだ”っていうことらしく。で、「星の鳥」っていうタイトルにしてもいい? って。だから俺が考えてた物語のタイトルですよね。全然いいですよ、という話になって、「星の鳥」っていうインストの曲が生まれた。

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