増田勇一のライヴ日記 年末七番勝負(5)2007年12月28日(金)BALZAC@東京・下北沢SHELTER

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今年最後の金曜日は、本来ならば「13日の金曜日」のほうが似つかわしいBALZACのライヴ。会場となった下北沢SHELTERは自宅から徒歩で行ける気軽さもあり、なおかつ場内が「スシ詰め状態のまま耐震実験を敢行」するかのような状況になることはあらかじめわかっていたので、僕はほぼ手ぶらで出掛けた。

▲ビニールを外さずに撮るとどうしても光ってしまうのね。ブツ撮りってムズカシイ。ちなみにサイズはB5だが、かなりの重量。すべての原稿が英語ヴァージョンで掲載されているので海外のファンへのプレゼントにも最適。
当日のライヴの模様については1月発売の『フールズメイト』誌で書くことになっているので、ここでは詳しくは述べずにおくが、近年観た彼らのライヴのなかでもかなり満足度の高いものだったのは事実。フロアの後方中央あたりで、ほとんど身動きのとれない状態のままで観ていたのだが、それもそれで楽しかった。というか、正直、あと何年ぐらいこうしたライヴハウス通いを続けられるんだろうかと考えさせられる部分も多々あるのだが、とりあえずカラダが悲鳴をあげるまでは頑張ってみようと思う。

ところで、そのBALZACの結成15周年を記念して制作が進められていたコンプリート・ブック『BALZAC:15 Years of Unholy Darkness“COMPLETE LEGACY BOOK”』がようやく完成に至り、今回、会場でも販売された。実は僕自身もこの本には深く関与していて、メンバーたちの記録と記憶と証言とをもとにバンド結成前夜から現在に至るまでのヒストリーを執筆させていただいたのだが、果たして何万字書いたのかと考えると、本当に気が遠くなるほど。今年前半、2月にDIR EN GREYの全米ツアーに同行していた際などにもツアー・バスに揺られながらこの原稿を書いていた記憶がある。

▲CDやデモ音源ばかりか、こんなコレクションをコンプリート掲載したページも。
また、本来であれば6月6日に発売が予定されていたこの本の刊行が半年以上も遅れることになった件について、一部では「増田の原稿が遅かったからではないか?」という説が飛び交っているようだが、確かにそれも遠因のひとつではあるかもしれないけども、基本的には編集作業がバンド側が想定していた以上に難航したため。今年、HIROSUKEと顔を合わせるたびに「いやー。本を作ってる人たちの大変さがよくわかりました」といった言葉を耳にしたものだ。ちなみにこの本は、書店やCDショップでも取り扱われているが、まずは発行元のSTUDIO WARP(06-6882-3367)まで問い合わせてみるのがベターだろう。

そしてメリーのツアー日記でも書いたが、この日、前夜に奈良でツアー・ファイナルを終えたばかりの同バンドのヴォーカリスト、ガラが会場に駆けつけていた。自分たちのライヴがない日は、他の誰かのライヴ。この男もきっと、重度のライヴ中毒なのだろう。

増田勇一
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