シャーンノース、最新ミニアルバムが良い!

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SeanNorth(シャーンノース)の最新ミニ・アルバムがとても良い。水晶の輝きを持つ澄んだ歌声で歌われるメッセージは、決して大げさではない表現ながら、心の中心にスッと入り込んで来る。その優しい言葉の操り方に感動するとともに、懐の深い音世界の構築に心奪われる。そんな魔法を持ったバンドの新譜だ。

SeanNorthは、2006年8月にデビューシングル「final your song」をリリース。時を開けずに10月にアルバム『Story Neverend』を発表し、その70年代を髣髴とさせる懐かしいフォーク調の楽曲と音、そして深く心に刺さるメッセージでファンをつかんだ3人組のグループだ。

リーダー佐々木久夫の描き出す世界は、控えめでありながら、その内部には強烈な意思表示を含んでいる。その歌詞の力が、清潔感あふれるバックサウンドと溶け合い、Lumiのヴォーカル、ムーチョのギターと絡まりあってオリジナリティの高い世界を提示してみせてくれる。

2ndシングル「ソメイヨシノ~桜の木の下で~」をリリースした後、レコード会社が業務を停止したことによって、現在ではインディーズとして活動を続けている。

そんな彼らが新たにリリースしたのがミニアルバム『HOME』だ。ニンフが目をつむって音楽を聴き込んでいるイラストのジャケットは幻想的で、一見するとプログレバンドのアルバムのよう。中には6曲が収録されており、ケルティックなサウンドが全編に渡って聞こえてくる。

メロディラインの豊富さは素晴らしい。次から次へと美しいメロディが折り重なる。それを紡ぎだすヴォーカルLumiの声は、強すぎもせず弱すぎもせず、ちょうど良い重量で届いてくる。ギターを中心としたバックサウンドも、ところどころに民族楽器の笛やアナログシンセ、グロッケンなど、素朴でありながら豊かな響きを持つ楽器を入れることで、奥の深い世界を作り出している。しかし、そんな中にもカントリー・ミュージックぽいアレンジの曲「ノーチラス」があったりして、6曲という少ない曲数ながら、そのバリエーションの豊富さは目を見張る。

ミニアルバムの大団円「Home,Sweet Home」は、ほとんどピアノとヴォーカルのみで構成されているが、随所に現われる音のアイデアは、細部まで計算しつくされたクラシック音楽の素養さえも感じさせる。

アイリッシュ音楽の伝統的な歌唱法sean-nosに由来する名前を持つ彼ら。ずっと歌い継がれるような音楽を作り続けるという強靭な意志が感じられる秀作を作り上げたようだ。

なお、この作品はオフィシャルサイトで試聴できるので、興味ある人はそちらで聴いてみてほしい。

●通販もオフィシャルサイトから
http://seannorth.jp/
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