ketchup mania、「BAD! BAD! BAD!」特集内インタビュー

――シングルは久しぶりのリリースですね。

HIRO：ホントに久しぶりですね。最初の計画では、アルバムを立て続けに３枚出そうと思っていたんです。初めからシングルを出してしまうと、その１曲だけで、ketchup maniaはこういうバンドだって決められちゃうのがすごくイヤで。それでアルバムを２枚出して、色々な曲を聴いてもらってketchup maniaのことを少し理解してもらったと思ったので、ここでketchup maniaらしいシングルを出したいね、ということになったんです。

――ketchup maniaらしいシングルを作るということで、もっとも重視したことは？

DAI：やはり、ラウドでファスト、ヘヴィなサウンドにHIROちゃんのキュートなヴォーカルが乗るっていうことですね。ギターのリフはいくつかできてて、何曲分かあったんですけど、その中でこの曲が一番へヴィで速くてキュートな感じだったので、シングルに向いてるなと思いました。

――この曲をシングルのタイトル曲にすることはすんなり決まったの？

YOSEI：オレはコレしかないなと思った。候補になった曲の中で、へヴィでファストっていうのを一番満たしているっていうのもあったけど、とにかく単純に一番カッコいいなと思いましたから。

DAI：シングルになりそうな曲はほかにもあったんです。「PINK WATER」だって普通ならシングル向きの曲だと思うんですが、今回は久々のシングルだし、よりketchup maniaらしさが表われているということで、この曲にしました。

WANI：ホントにketchup maniaらしい曲だと思いました。アルバムを２枚作った後だったこともあってよりへヴィになったし、ヴォーカルのキュートさもさらに出てると思うんで、かなり気に入ってます。

――歌詞のテーマは“浮気”ということだけど、どんなところからそのアイデアが生まれたの？

HIRO：これを書いた頃、友達と食事とかしているときに、“浮気されちゃった”とか“誰々が浮気されちゃって違う人と結婚しちゃうらしいよ”とか、そんな話がよく出てたんです。それで、あぁ浮気ってよくあることなんだな、とか思ってたのがきっかけかな。この曲、サウンドが毒々しいというか、ラウドな雰囲気があるんですけど、渋谷とか街を歩いてるときに路上でケンカしてるカップルとか、出会いを求めて歩いてる女の子たちとかを見てると、そういうテーマの歌詞がマッチするんじゃないかなと思ったんです。

――ケンカしてるカップルってそんなに見る？

DAI：けっこう見ますよ。

YOSEI：見る見る。

DAI：時間帯もあるんじゃない？僕らが歩いてるのって夜中から朝方、けっこう不健康な時間帯だから（笑）。

――HIROちゃんがこの歌詞で言いたかったことは、実はただ“BAD”なだけじゃないようにも感じるけど？

HIRO：そうなんです。ラウドで毒々しさみたいな雰囲気も出しつつ、最終的には前を向いて頑張っていこうよ、ということが出せればいいなと思ってました。きれいごとばっかり並べて前に進むんじゃなくて、歌詞にもあるような汚い部分、リアルに汚いことがあって、それでも最終的には前にっていう感じ。

――こういう歌詞がついたことで、それに触発されて出てきたアレンジのアイデアもあった？

DAI：最初は“BAD！BAD！BAD！”みたいなところはなかったんですけど、“BAD”っていう言葉の響きを生かせるんじゃないかと思ってそういうアレンジを付け足したりしましたね。タイトルもそこから来てるんです。

HIRO：最初に私がつけたタイトルは“3ing”だったんです。フィーリング、タイミング、ハプニングの3つの“ing”で。でもわかりにくいってことで、最終的に「BAD！BAD！BAD！」に落ち着いたんです。

DAI：こっちのほうがへヴィというか、悪そうだし（笑）。

――演奏するときに意識したのはどんなこと？

WANI：ドラムではまずヘヴィさを出すということ。このシングルからツインペダルを導入したんですよ。今まではシングルでやってきて、２バスとか、ましてツインペダルなんか邪道だと思ってたんですけど、よりへヴィさを求めるとツインペダルも必要かなと。買ったばっかりだったのでかなり苦戦しましたけど、なんとかうまくはめ込むことができました。今はライヴで昔の曲をやるときにもツインペダルを使ってます。

YOSEI：オレは基本的にベースを歪ませたりするの好きじゃなかったんですけど、今回やりたかったイメージのひとつに“悪さ”っていうのがあったんで、けっこう歪んだ音も使ってみました。攻撃性を出そうということで、自然にそういう音になっていったんです。広くワイドレンジで低音を支えるというより、歪ませることで聴いてる人に向かって直接ガツッと音を出すみたいな。結果的に、今までより断然音が前に出てアピールするベースになったと思います。

DAI：ギターはドンシャリの歪ませた感じが基本なんですけど、今回はリフを聴かせたいと思ったんで、わりとトリッキーなリフを入れたりしましたね。僕はパンクもメタルも好きなんで、メタル色の濃いリフを入れてみたりもしました。

――HIROちゃんが歌うときに意識したことは？

HIRO：最初の２行はお色気満点というかちょっとエロティックに、サビは勢いがあるように歌おう、２番は切なげに、とか、そういうのを先に決めてから歌いました。前回の『L・O・V・E』と大きく違うのは、コーラスワークをたくさん入れたことですね。だからいつもよりレコーディングにすごく時間がかかって。けっこうコーラスで苦労しました。

――ライヴで盛り上がる曲ですよね。

HIRO：初めてやったときから、知らない曲のはずなのに“BAD！BAD！BAD！”っていうところをお客さんも一緒に繰り返してくれてたし、最近はみんな覚えてくれて、リリースしていない曲とは思えないくらい盛り上がります。

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