羊たちの回想:メリーのツアー総括(8)(最終回)

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読者の皆様、お待たせしました。ようやくこの『羊たちの回想』も最終回でございます。もはやツアー終了から3ヵ月近くの日々が経過しつつあり、すでに『Many Merry Days#4』が開幕していたりもする今日この頃ですが、改めて昨年末のメリーを振り返りつつ、現在進行中のツアーと重ねながら見てみることにしましょう。

12月26日(水)松坂・M'AXA

12月27日(木)奈良・NEVER LAND

――#3の最後の2本。とても特徴的な会場が2夜続きました。

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ネロ:松坂のライヴハウスでは、肉が出てくるんじゃないかと思いました(笑)。まさにステーキハウスというか、雰囲気的にマカロニ・ウエスタンな感じで。

結生:本当に全員の体調が完治した状態でやれたのは、実はこの2本だったんじゃないですかね。ま、それにしても、どっちの会場もインパクトあり過ぎでしたけど(笑)。

ガラ:正直、なかなかあそこでやれる機会はないと思う。

ネロ:松坂の会場は、日が暮れないとライヴも何もできないんですよ。日差しが入ってくるから、全然暗くならなくて。

結生:しかもガラス張りだから、リハーサル中に外からその様子が丸見えだったりもする(笑)。

ガラ:そう。普通だったらあそこは、せいぜい食事中の人たちのBGM代わりの音楽を演奏するような場所だと思う。メリーみたいなうるさいバンドが出るのは異例中の異例というか。

結生:うん。しかもなんか、あんまり日本ぽくなかった。

ガラ:バルザックのHIROSUKEさんと話してたとき、アメリカなんてそんなところばかりだって言ってた(笑)。

テツ:面白いのが楽屋で、1階の客席と繋がってるんですよ。そんなわけで、アンコールのとき、初めて客席の側からステージの上の“生ネロ”を観ることになりました。ドラム・ソロからアンコールを始めたんで。

ネロ:ちなみに会場はマカロニ・ウエスタンなのに楽屋は座敷でした(笑)。かなり強烈なミクスチャーでしたね。そこで同時に、“もうツアーが終わってしまうんだ”っていうシミジミとした気持ちも出てきて…。

――そして翌日、本当に#3の最終着地点に到達。奈良のNEVER LANDはとても天井が低かったようですが。

健一:モニターの上に乗っかろうとして天井に頭をぶつけるという、僕としてはかなりレアな経験ができました(笑)。

ネロ:すごーく酸欠っぽくなりましたね。客席のみんなの熱気も“最後の1本”ということですごかったし。

テツ:“これで最後か”という気持ちに浸る前に、会場の造りに圧倒された感があって。でも、そんな逆境が良かったとも思う。そのぶん燃えましたからね。

ガラ:そこにステージがあって、観に来てくれる人さえいるなら、どこでもやらなきゃいけないんだなって、改めて思いましたね。

ネロ:どこでも自分たちの演奏で魅了できるようでなくちゃいけない。そういう大きな課題を見つけながら終わった感じで…。ちょっと泣きそうになりましたけど(笑)。

結生:文句なしにいいライヴだったとは思うんですよ。でも、会場の状況が状況だったので、ある意味、ファイナルらしいファイナルにならなかったというか。実際、まったくステージ上の5人が見えてなかったようなお客さんもいたはずだし、もっとメリーが映えるような場所で毎回のライヴをできるようにならなきゃいけないなという気持ちになりましたね。

ガラ:うん。そういう話を終演後にしたよね。

結生:もちろん奈良のお客さんも良かったし、会場も良かったんですよ。でも、ファイナルという雰囲気じゃなかったということなんです。それがちょっと心残りで。

健一:ただ、同時に、まだツアーが終わってない感じもあって、気持ち的にはそのまま#4に続いてるようなところもある。

結生:確かに。実際、#4ではある意味、#3のときより厳しい状況も待ってる気がするんですよ。いろんな意味で、さらに鍛えられることになると思う。もちろん5月3日の横浜文化体育館を見据えながらやっていくところもあるんだけど、正直、場所によっては、行ってみないとわかんないようなところも多々あるし。でも当然、“それを超えていくんだ!”という気持ちでいるんで。

ガラ:同時に、もう“何かを探す”という感じであっちゃいけないんだろうなと思ってます。常にどんな場所でも、メリーをしっかりと見せつけなければいけない。こうして各都道府県を回っていくなかで、“二度と来ない場所”があってはいけないと思うんで。

増田勇一
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