三寒志恩ムック初春の宴(7)ロチェスター編その壱

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▲移動中の車窓からの風景はほぼこんな感じ。見ているだけで寒い。
▲ロチェスター到着。気温は零下5度。誰かの歩いた跡が歩道になる。
▲達瑯自身の手による3月10日の彼の昼食。もしかしてマヨラー?
▲同じく筆者の作った昼食。ちなみに遠い昔、パン屋で働いていた過去あり。
▲ヴェジタリアンと化し、サラダをむさぼり食うSATOち。食生活が偏りがちなツアー中、野菜摂取はとても重要だ。
3月8日の公演終了から数時間後、深夜にデトロイトを出発したツアー・バスは、9日午後、ロチェスターに到着。ライヴのないこの日はホテルに一泊することになる。参考までにロチェスターはニューヨーク州の都市だが、同じ州内とはいえマンハッタンとは大違い。メンバーのなかにも「着いてみたらそこは摩天楼のど真ん中だったりするんじゃないだろうか?」というかすかな期待があったようだが、東京都をニューヨーク州にたとえるなら、ここは多摩あたりに該当するのではないかと思われる。

デトロイトから半日弱をかけてのドライヴ中、車窓から見えていたのは雪景色ばかり。そしてホテルの前に到着してバスを降りようとしてみたら、足がズボッと雪に埋もれるというありさま。一応、滞在先のホテルはダウンタウンの中心部に位置しているのだが、とりあえず周囲にめぼしいものは見当たらず、しかもあいにくの日曜日ということもあって大半の店が休業。こんな日は大人しく過ごしているしかない。ま、そのおかげで筆者は今月末発売のいくつかの雑誌用の原稿を書き上げることができたのだが。

ちなみに筆者はこの日の夕刻、ムックのマネージャーであるK氏と共に街を散策したのだが、結果的にはスーパーでポテトチップスなど購入したのみ。その帰路、ほぼスケートリンク状態にある路上で出くわした達瑯とYUKKEのコンビに「ホテルの前に中華屋があるじゃないですか。あそこ、めちゃくちゃウマいっすよ」と言われ、喜びいさんで同店へ。

しかし彼らの言葉を素直に信じたのが間違いだった。広い店内に空席はたくさんあるものの、どのテーブルも片付けられておらず、しかも残飯だらけ。そこで「もしや、ハメられたか?」との疑念はわいたものの、他に食事をすべき場所もないだけに、結局は覚悟を決めてその場に居続けることになったのだが、結果的にはテーブルについてからオーダーをとりに来るまでに15分以上かかり、せっかく頼んだ春巻は出てこず、いちばん美味いのはビールという結論に。しかもこの店、中華料理屋なのに寿司とかタイ料理とかステーキとかピザまでメニューに載ってるんだぜ。皆さんもこの種の店と、達瑯+YUKKEの甘い言葉には注意しましょう。

そんな味気ない1日のオフを挟んで、翌日、3月10日はロチェスターでのライヴ。『MAIN STREET ARMORY』という会場名から察するに、軍事関係の施設の跡地のようで、ホールはまるで格納庫みたいだし、地下の楽屋スペースには、もしかしたら元々は兵器工場だったのかも、という雰囲気が漂う。しかも建物自体は築100年を超えているのだとか。

そんな会場に到着した一行が、まず行なったこと。それは昼食の確保だった。この日もケータリングは充実していて、セルフ・メイドでサンドウィッチが食べられるようになっている。ツアー中の食事というのは、食べられるときに食べておくべきもの。シャワーもトイレも同じことだ。

食事を済ませると、時刻はまもなく午後2時。開場まであと2時間半。外にはすでに数十人のファンがたむろしている。今日は果たしてどんな光景が繰り広げられることになるのだろう?

増田勇一
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