島みやえい子、『ひかりなでしこ』&「WHEEL OF FORTUNE(運命の輪)」特集内インタビュー

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――“千夜一夜物語”を歌にした、「scheherazade」のような楽曲もあって、本当にバラエティー豊かですね。

島みや:元々、中近東っぽいテイストの楽曲は好きで、今回やっと実現しました。「観覧車」とこの曲の編曲は、SORMA NO.1さんにお願いしました。ヒーリング系の楽曲を多く手掛けてらっしゃるので、私の世界観とも相性が良いんですよ。この空気感は本当に素晴らしいですね。

――複雑な意味が込められた歌詞があるなかで「あすなろの木」のように、驚くほどストレートに挫折を味わった若者と故郷の歌があるのも、興味深いポイントでした。

島みや:この楽曲には、裏話があるんですよ。この曲、実は私が勝手に夏川りみさんに歌っていただきたいと思って作ったんです。これは私の遊び心なのですが(笑)、私も何となく、夏川りみさん風に歌わせてもらっています。「十四の月」は既存の楽曲なのですが、この曲にも裏話があって、実は今敏監督の『千年女優』という作品に、インスパイアされて作った曲なんです。本当にきっかけは様々ですが、いろいろなものからの影響を、楽曲に落とし込んでいるんです。

――初回限定盤に絵本をつけたのも、新しい試みですね。

島みや:絵本をつけた音楽作品を出すことは、私の夢だったんですよ。描いてくれたのは、昔から知り合いのミキキヨミという絵本作家です。とても大人っぽい感じの絵本になりました。音楽と絵本を、一緒に楽しんでいただけると嬉しいですね。

――それでは改めて、このアルバムを楽しみにしているファンにメッセージをお願いいたします。

島みや:もしかしたら、今まで私の曲を聴いてきてくださったみなさんは、少しだけ裏切られたと思われるかもしれません。ただ、これが今まで出せなかった本来の私だと思っていて、手応えをすごく感じています。今後も、自分のアーティスト性を育てながら、良い意味でファンのみなさんを裏切っていきたいと思っています!

――続いては実写映画『ひぐらしのなく頃に』の主題歌「WHEEL OF FORTUNE(運命の輪)」についてです。この楽曲の重厚なアレンジも、新しい側面ですね。

島みや:そうですね。とてもネガティヴな歌詞で、アニメ『ひぐらしのなく頃に』の主題歌だった「ひぐらしのなく頃に」を、バージョンアップさせたような内容になっていると思います。かなり悲惨な歌詞ですが、最後に「今度こそ……」と歌っているのが重要なポイントかもしれませんね。やっぱり、多感な子供たちの耳に触れる楽曲の歌詞でもあるので、そういう部分は特に意識しています。

――カップリング曲の「ディオラマ」も、アブストラクトなエレクトロニカといった印象の、これまでに無かった楽曲ですね。

島みや:中沢伴行さんの楽曲なのですが、あえて全力でこないワビサビのようなものがありますよね。そういう部分が、上手い作家さんです。このED曲に関しては、事前に「“ひぐらし”の雰囲気になりすぎない楽曲」という指示があったんです。そこで、本城直季さんという方が撮られた、実際の風景をミニチュアのジオラマのように撮影した写真にインスパイアされて、この歌詞を書きました。歌も、私が一番歌いやすい雰囲気がありますね。

――ライブ・ツアーが楽しみです!

島みや:自信があるので、ぜひみなさん足を運んでください!GW、東京を皮切りに全国六箇所を巡るツアーになります。今まで、行きたくても行けなかった西や南の方にもいくので、今から本当に楽しみですね。

取材・文●冨田明宏

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