キャプテンストライダム、「人間ナニモノ!?」特集内INTERVIEW

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キャプテンストライダム INTERVIEW

――得たものは大きかったですか。

菊住:はい。やっぱりスティーヴはスゲェなと思ったし、でもこっちもスティーヴにできないことができたと思ったし。日本人のノリって、ちょっとベタッとしてると思うんですよ。スティーヴはすごく腰が動くノリなんですけど、僕は日本人ならではの“盆踊り的な解釈”というか。

梅田啓介(以下、梅田):オレらの根っこにあるのはお祭りやお囃子かもしれないけど、もっと深いところで、日本人もアメリカ人もわかりあえるところがあるんだなって。音を出してるとわかるんですよ。

永友:「人間」ですからね、テーマが。国境を超える曲になったと思います。


梅田:いろんなアイディアや世界観を考える前に、内面にたまってるものをドンと吐き出せばいいんだという感じだったので、それがスティーヴに伝わったんじゃないかな。オレはスティーヴとの演奏は、楽しむだけ楽しみました。どんどん気持ちよくなってきて、人間のパワーがすごく凝縮された曲になったなと思います。

永友:間奏で“ニンゲン、ニンゲン”って連呼するんですけど、そこで聴いた人なりの人間というものを思い浮かべてもらいたいなというのはあります。僕も歌うたびに自分に問いかけているので、とにかく聴いた人に何か反応してほしい。“何を偉そうなこと言ってるんだ?”っていう怒りでもいい(笑)。ただ心地よく流れていくだけの歌ではなく、音楽ってもっと引っかかるものだろう? というイラダチもあって、そこはダイレクトに行きたいと思っているので。

――そしてカップリングにはカヴァーが2曲揃いました。まずはAC/DCの「SHOOT TO THRILL」。

永友:BEAT CRUSADERSのカトウタロウくんが音頭をとって、AC/DCのトリビュート盤を作った時に声をかけてもらって。AC/DCはオリジナルが最高なので、カヴァーするのが難しかったですね。ギターのリフは変えたくない、ということは歌のキーも変えられない。超人的なハイトーンなんですけど、そこが自分の好きなポイントだったので、思い切って歌ってみようと。そしたら新境地というか、自分でこういう声が出るということも知らなかったし、新しい面が出せたと思います。

――もう1曲はユニコーンの「ペケペケ」で、ライヴ・バージョンで収録されてます。

菊住:4年ぐらい前、奥田民生さんが広島市民球場でやった<ひとり股旅スペシャル>の後夜祭で初めてやった曲なんですよ。去年『ユニコーン・トリビュート』に誘ってもらった時にもやって、ライヴでもやりはじめて。僕ら、シングルには必ずライヴ・バージョンを入れてるんですけど、その時の自分たちが一番色濃く出てる曲を選んでいて、この「ペケペケ」には今の僕らのアグレッシヴな感じがすごく出てるなと。僕と梅田が歌うのも新鮮だし。

永友:カヴァー曲が2曲も入っていて、なんだか曲がないみたいに見えますけど、大丈夫です(笑)。いまアルバムを作っていて、新しい曲はそこで聴いてほしいと思っているので。「人間ナニモノ!?」は怒りが出発点ですけど、人を傷つけるものではなくて、聴いた人の中でパワーが生まれて前向きになれるものがないと、音楽なんてあってもなくても同じだと思うんですよ。希望がないと駄目だと思うので、そこを追求してるんですよね、アルバムでは。すごく濃いものができているので、そっちも楽しみにしていてください。

取材・文●宮本英夫

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