ポーキュパイン・ツリー、スティーヴン・ウィルソン インタビュー

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スティーヴン・ウィルソン(ポーキュパイン・ツリー)インタビュー Part.1




写真左より『On the Sunday of Life...』『Up the Downstair』『The Sky Moves Sideways』


――昨年リリースした『Fear of a Blank Plant』が、グラミー賞のベスト・サラウンド・アルバム部門にノミネートされたそうだね。

スティーヴン・ウィルソン(以下スティーヴン):実は、サラウンド・ミックスをやったのはあれが初めてだったんだ。他のバンドのサラウンド・ミックスもほとんど聴いたことがないし、僕の直感だけを頼りにやったものだから、もしかしたら普通とは違うやり方なのかもしれない。ただ、ポーキュパイン・ツリー(以下PT)のサウンドはサラウンドにすごく向いているんだと思うよ。たとえばAC/DCなんかをサラウンドミックスしても意味がないかもしれないけど、PTはすごく色々なサウンドが重なってるし細かいディテールもあって、立体的に音を配置しやすい構造なんだ。だからみんなに気に入ってもらえたんだと思う。

――サラウンド・ミックスは今後のアルバムでも使っていくつもり?

スティーヴン:今後すべてのアルバムでそうしたいと思ってる。僕のスタジオにサラウンド・ミックス用の機材も揃ったしね。リスナーがサラウンドで聴きたいと思う限りやりたい。以前のアルバムについては、『Stupid Dream』という99年のアルバムのサラウンド・ミックスを去年作ったし、今ちょうど『Lightbulb Sun』のステレオのリミックスとサラウンド・ミックスをやっているところなんだ。他の今までのアルバムも、今後サラウンド・ミックスをするかもしれないね。

――今回再リリースの7枚は、どれも幻想的で美しいイラストが印象的。紙ジャケ仕様だとそれがさらに引き立つね。

スティーヴン:僕はアナログレコードを聴いていた最後の世代なんだ。見開きになる大きなジャケット、中にはさまれた歌詞カード、そんなLPのスタイルは大好きだったな。ジャケットを眺め、歌詞カードを見ながら音楽を聴く、僕はLPのそういうスタイルを大事にしたいから、CDになってもジャケットにもこだわりたいんだ。曲だけ作ったらおしまいっていうミュージシャンもいるけど、僕にはその感覚はわからない。ミュージシャンだからって音楽だけを考えていたらアーティストじゃないと思う。中身の音楽はもちろん、ジャケットもライヴも含め、全体を一つのアートとして自分の作品をどう提示するかっていうことを考えるのがアーティストとして重要なんだ。ひょっとして僕は、すべてのことを自分で完璧にコントロールしようとする“コントロールフリーク”なのかな? でもそれはアーティストとしては当然のことだと思うんだけど。

――じゃあこのイラスト、ひょっとしてスティーヴンが自分で描いてるの?

スティーヴン:いや、さすがにそこまではできないよ(笑)。基になるアイデアを僕が出して、友人なんかに頼んで描いてもらっているんだ。たとえば『The Sky Moves Sideways』は、なんとなくイギリスっぽい風景の中にシュールに電話ボックスがあるっていうイメージ、『Stars Die』は、理由はよくわからないけどとにかく水の中っていうイメージがあって、それを伝えて描いてもらった。『Signify』は友人が既に描いてあったものなんだけど、僕のイメージにぴったり合うと思ったから使わせてもらったんだ。

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