Harley & Quin、初のアルバムは70分の大作

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元ELE-KINGの編集者であり2 MUCH CREWの初期メンバーという異色の経歴を持つ大森と、元[ROMZ]の店員だったラスベガスという、奇妙な組み合わせの2人が作ったユニット、それがHarley & Quinだ。

この激アンダーグラウンド地域周辺で活動していた(…というか遊んでいた)ふたりが、思いもよらないキャッチーなアルバムを作り上げた。

キャッチーでありながら、2人が持つ膨大なヴァイナル・コレクションに裏打ちされたあらゆるジャンルを飛びまわる懐の深さ。TECHNO~THECH HOUSE~DETROIT~GERMAN ROCKにまでも片足を突っ込みそうな勢いのその幅の広さは、その後加入したコックファーザー・オクダ(G)と日本刀(Ba)の楽器隊の参加もたぶんに影響を及ぼしている。

2007年にSWCより発売されたコンピレーション『White Album』にて、「fatal tissues」というアルバム中最高にキャッチーな楽曲を提供し、一躍その名を知らしめたHarley & Quinは、精力的にライブを繰り返し、試行錯誤を重ね、ついにこのアルバムを完成させた。

アルバム収録曲はたっぷり18曲。そのポップさ加減でアルバムを代表するM2「テクノリベラシオン」、イギリス人ヴォーカリストBelle Humbleを起用したM4「サバラ青春の光」、奥田のギターと日本刀のベースが新鮮なM6「P.C.M.」、デトロイト・テクノへのオマージュを感じさせるM8「ムカ市」、壮大な広がりが美しいM11「Fireworks_pt1」、昨今の“エレクトロ・ハウス”を思い浮かべるM13「FAX MACHINE」、新たにギターとベースが加えられたM15「fatail tissues」…と、ジャンルも国境も飛び越え、ポップスもアンダーグラウンドも飲み込んだ渾身の1枚になっている。
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