髭(HiGE)、40分超えの新曲「Electric」制作秘話

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7月16日にリリースされる髭(HiGE)の新曲「Electric」。同曲が40分以上もある楽曲だということは前回お伝えしたが、そもそもなんでこんなに長い楽曲を制作したのか? 楽曲制作~リリース決定に至るまでの経緯がちょっとだけ気になったBARKSは、髭(HiGE)が所属するレーベル「スピードスターレコーズ」の担当者に訊いてみた。以下、担当からの返答だ。

   ◆   ◆   ◆

2007年末、<Chaos in Apple Tour>を大成功に終わらせた髭(HiGE)の2008年前半の活動は、その大部分が5枚目のオリジナル・アルバムにむけた新曲制作期間にあてられていた…ハズだった。事実、曲づくりは順調に進められていた。そんな折、何の予告もなしに1枚のCD-R音源がスピードスターレコーズに届けられた。

「……???」

さっそくプレイヤーで再生してみると、その場にいたレーベルスタッフたちがザワつきはじめた。そこには、これまでの“髭ロック”とはだいぶ趣きの異なる、壮大でファンタスティックなエンタテインメント作品、「Electric」が収録されていたのだ。

この楽曲を制作するに至った経緯をメンバーに質問したところ、次のような返答がきた。

「「Acoustic」をロングリメイクする、という以前から温めていた構想を、曲づくりやライヴ準備の合い間を使ってハードディスクレコーダーで制作してみたところ、40分を超える大作が面白いように完成してしまった。いったんはCD収録時間ギリギリの構成もできかけたが、家でリスナーの気持ちになって聴いてみたら長すぎたので、改めて40分強にまとめ上げた」

ということで、彼らにしてみればこの楽曲は“遊びが高じてできた作品”ということになるのかもしれないが、こんな素敵な音源を我々レーベルスタッフが放っておく手はない。もともと髭(HiGE)のリリース計画にはなかった作品ではあるが、ぜひ音楽ファンの方々にも広くこの音源を共有したい。そんな思いで、「Electric」の発売が決定した。

   ◆   ◆   ◆

なるほど。そういうことか。それにしても…2005年の『Thank you, Beatles』発表以来、2年半で4枚ものアルバムをハイペースに制作し、さらにこれだけ野心に溢れた音源を創り上げる彼らの創作キャパシティには、まったく驚かされるものだ。

そんな髭(HiGE)の大作に、なんと元ジェリーフィッシュ(Jellyfish)で現在マリブ(MALIBU)のキーボード奏者として、またソロ・アーティストとしても活躍するポップの魔術師ロジャー・ジョセフ・マニング・Jr.が、コメントを寄せている。

「このHigeの作品「Electric」を試聴してコメントする機会をもらえたことを、とても光栄に思う。驚くことに、40分以上という長い時間にも関わらず、曲を聴いている間に飽きることはなかった。僕が一番感動したのは、コンスタントなテンポ、グルーヴベースのリズミカルなポーズを続けながらも曲が持っているスタイルの限界がないということ。ヴォーカル、ハーモニーの実験と、ギターなど色々な楽器の素材感(味わい)はとくに面白かった。“ダンス、テクノ、グルーヴ”というありきたりになりがちなジャンルの音楽が、その殻を破って未知な音楽領域に挑戦していくことはうれしいことだ。これから僕がMalibuとして活動するときに、このHigeの音楽は間違いなくインスピレーションになるね」(ロジャー・ジョセフ・マニング・Jr.)

(原文)
「I was very pleased and honored to be offered a preview of the new Hige track "Electric". Although the song clocks in at over 40 minutes, surprisingly my attention was held for the duration of the track. I was most impressed by the amount and scope of styles that the song explores during the course of the track while all the while keeping a constant tempo and groove based rhythmic pulse. I enjoyed the vocal harmony experiments as well as the various instrumental textures such as with the guitar for example. It is always gratifying to hear "dance/techno/groove" based music that is willing to push the envelope of tradition and explore uncharted musical territory in an otherwise very predictable genre. A definite inspiration, Hige! Especially for my future Malibu endeavors. Thank you again.」(roger joseph manning jr.)
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