ジム・ホールが「アランフェス協奏曲」のために来日公演

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ギタリストなら誰もが一度は演奏を夢見る1曲であろう「アランフェス協奏曲(Concierto de Aranjuez)」は、スペインのホアキン・ロドリーゴ(1901-1999)が作曲したクラシック・ギター協奏曲だ。ロドリーゴは幼少の頃に失明してしまうが、その才能で数々の大作を生み出した。

音楽家として絶頂期だった1936年にスペイン内戦が勃発。その後まさに過酷で厳格なフランシスコ・フランコ独裁政権が始まった1939年に作られたのがこの「アランフェス協奏曲」。当時ギター協奏曲はすたれていたものの、この「アランフェス協奏曲」により文化は再燃、現在に至るまでギター協奏曲の代表作として知られ、今ではクラシックやジャズのアーティスト達、またポップアーティストが数えきれないほど沢山のカバーをしてる作品、それが「アランフェス協奏曲」でもある。

御大ジム・ホールは、1975年に「アランフェス協奏曲」をジャズにアレンジし、チェット・ベイカー(tp)、ポール・デスモンド(as)、ローランド・ハナ(p)、ロン・カーター(b)、スティーヴ・ガッド(ds)と共にレコーディングし発表。瞬く間に大ヒットとなり、ジャズファンはこぞって「これぞまさに名盤!」と、稀代の名盤の誕生をよろこんだ。

数多くのアーティスト達が同曲をカバーしてきたものの、もともとギター協奏曲である同曲をギターでカバーしたのは実はJ・ホールだけなのだ。逆に、このカバーから原曲を知る人も多く、J・ホールがツアーにでれば「アランフェス協奏曲」のリクエストが殺到。1976年に来日した際にも観客のほとんどが同曲の演奏を心待ちにしており、会場を大いに湧かせたものだ。

しかしながら、残念なことにJ・ホールが日本で同曲をライブで演奏したのはこのときだけ。現在までに来日回数が多いにもかかわらず、J・ホールは同曲をそれ以降日本では一度も演奏していないのだ。

そんな中での、今回の来日公演である。32年ぶりとなる「アランフェス協奏曲」をメインに届ける、まさにスペシャルコンサートと呼ぶにふさわしい公演が決定したのだ。今となっては当時のレコーディングメンバーであったベイカー、デスモンド、ハナの3人は他界し、オリジナルメンバーでの演奏はもう2度と聴くことができないものの、今回はなんとストリングスを加えた編成で新たな挑戦をするという。

32年の時を経て、あの名曲が今またここ日本でライブ演奏が実現するとなれば、多くのファンが待ち望んだ最高のショーになることは間違いない。巨匠ジム・ホールが生み出す、新たな「アランフェス協奏曲」…それはまた新たな伝説が生まれる瞬間にもなるだろう。

<アランフェス協奏曲(CONCIERTO) by ジム・ホール QUINTET with ストリングスJAPAN TOUR公演>
会員限定先行受付開始日:6月20日(金)~30日(月)
JEC先行受付開始日:7月7日(月)
一般発売:9月3日(水)

●東京公演
 2008年11月24日(月・祝)Bunkamuraオーチャードホール
 開場4:30 pm/開演5:00pm S/¥7,500 A/¥6,800(全席指定・税込)
 2008年11月25日(火)  Bunkamuraオーチャードホール
 開場6:30 pm/開演7:00pm S/¥7,500 A/¥6,800(全席指定・税込)
 [東京公演お問合せ]JECインターナショナル 03-5474-5944】
●大阪公演
 2008年11月28日(金)  ザ・シンフォニーホール
 開場6:30 pm/開演7:00pm S/¥7,500 A/¥6,800(全席指定・税込)
 [大阪公演お問合せ]YUMEBANCHI 06-6341-3525】
※全公演、未就学児童はご入場できません。
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