フィンランドから夏のきらめき、グッドナイト・モンスターズ

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「グッドナイト・モンスターズの音楽を聴くと、まるで20歳も若返ったような気分になるんだ。空には太陽が輝いていて、世界のすべてを信じられるようなね。もしなにかを信じられなくなっていたら、目を閉じて彼らの音楽を聴いてごらん。彼らのパーフェクトなポップ・サウンドでそんな気分も吹き飛ぶよ!」──ダグラス・スチュワート(BMX Bandits)

森と湖とムーミンの国フィンランドから、4人組のギター・ポップバンド、グッドナイト・モンスターズが日本でビューとなる。作品は彼らのセカンド・アルバムにあたる『Summer Challenge』だ。

バルト海沿岸にある町トゥルク出身のギターポップ・バンド、グッドナイト・モンスターズは、2005年にドイツのBone Voyage Recordingから『The Brain That Wouldn’t Die』でアルバム・デビューを果たした。そのデビューから3年、バンドが満を持して完成させたセカンド・アルバムが日本に上陸となる。

アルバムのレコーディングは、80年代から活躍する地元の有名バンド22-Pistepirkko(トゥエンティートゥー・ピスタプリッコ)が所有するスタジオで行なわれ、プロデュースはその22-Pistepirkkoのアルバム『Eleven』も手がけ、クラブジャズユニットKuusumun Profeettaでも活動するPetteri Rajantiが担当。フィンランド・インディーシーンの重鎮がバックアップに携わるしっかりとしたプロダクションにより、ファーストでも見せていた非凡なソング・ライティングのセンスは、このセカンドでさらに開花した。

完成したアルバムは、彼らが影響を受けてきたビーチボーイズやビートルズなどのポップ・クラッシックから、90年代のギターポップ、そしてカーディガンズやトーレ・ヨハンソンなどの北欧サウンドまで多彩なエッセンスが詰め込まれた。フレッシュでメロディアス、オーガニックでソウルフル、そしてタイムレスな極上のポップ・アルバムが『Summer Challenge』なのだ。

疾走するスペイシーなインスト曲M-1「Black Labrador」に始まり、北欧ポップらしさを感じさせるスィートなM-2「Hanging On To A Bad Dream」、ビーチボーイズへのオマージュともいえるM-5「First One On The Beach」から、初期ティーンエイジ・ファンクラブのようなジャングリー・ポップM-7「April Fooling」、7インチで先行シングルとしてリリースされていたM-8「Drifting」、60'sテイストなM-9「Le Beat De Jacques Lapin」、切ない恋心を歌ったM-10「Tomorrow's Girl」、そして“Here Come The Summer!”と高らかに歌われるラストM-13の3分間ポップ「Milk Club」まで、夏の朝の一瞬のきらめきを切り取って、そのままパッケージングしたような、全13曲のアルバムは、甘酸っぱい夏の想い出の1枚になること間違いなしだ。
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