ビルボード・チャートを賑わす自転車男、現わる

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Israel NebekerとRyan Dobrowskiから成る、アメリカはポートランドを拠点に活動するバンド、Blind Pilot(ブラインド・パイロット)。この、ポートランドの片田舎で誕生したバンドが地元の小さなレーベルから2008年7月にリリースしたデビュー・アルバム『3 rounds and a sound』が、アメリカのビルボード・インディーズ・チャートで22位にランクイン。デジタル・アルバム・チャートでは13位、総合チャートでは149位にランクインした。

驚くべきは、この実績がなんとデジタル配信の売上げのみで叩き出されたということ。これは異例の出来事なのである。

そしてもうひとつ異例なことがある。それは、彼らの活動スタイルだ。

大学時代からの友人であり、ここまでの道程を共に歩んで来たIsraelとRyan。彼らは2007年、アメリカ大陸西海岸を自転車で巡るツアーを行なった。それは、機材はトラックで運び、自分たちは自転車に乗って走る、といった安直なものではなく、彼らは自転車ですべてを運ぶという、驚愕のツアーを敢行したのだ。

ガソリン要らず、100パーセント人力。

自転車のトレーラーの後ろには、それぞれ「Blind」と「Pilot」の文字をなびかせて、機材もろとも自転車でツアーをまっとうしたのだった。

ブラインド・パイロットは、普通のツアー・バンドが行かない様な小さな街でも演奏した。“インディーポップ”という言葉さえ知らない様な街でも。しかし、その経験により心温まる歌詞と美しい音楽は、多くの人たちを魅了できるのだということを実感することに。

その後、ポートランドに戻ってから、彼らはアルバムを仕上げた。それが、現在チャートを賑わせている『3 Rounds and a Sound』。その音楽は「The Sins とIron&Wine のフォークをちょっと混ぜて切なくした感じ。でも、そんな表現では足りないほどの美しさがある」と評されている。

2008年7月には地元ポートランドにて、エイミー・マンと競演。独自のスタイルで邁進を続けるブラインド・パイロットは、8月中旬から再び自転車ツアーに出かける予定とのこと。2007年のツアーではカナダからメキシコまで、アメリカ大陸の西海岸を下る予定が、バンクーバーからサンフランシスコまでで終了してしまった。理由は、途中で自転車を盗まれてしまったからだそう。今回のツアーでは、再度メキシコを目指すという。

エコで自由奔放な活動を行なうローカル・バンドが、迷走する音楽業界にデジタル・セールスで一石を投じているというのは、なんとも新しい時代の幕開けを感じさせる出来事ではないだろうか。

なお、ブラインド・パイロットのデビュー・アルバム『3 rounds and a sound』は、8月6日から期間限定で、iTunesにて900円にプライス・ダウンされる。

■iTunes Store
http://phobos.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewAlbum?id=284309920&s=143462

■MySpace
http://www.myspace.com/goblindpilot
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