「泣きながらカメラを回したのは生まれて初めて」Coccoのドキュメンタリー映画

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「Coccoの旅に同行した。きっかけはライブ・アースでジュゴンのことを語り、唄う、彼女の姿を見たことだった。僕の中で何かが震えた。何かしたい――素直にそう思った。だから、撮らせてもらうことにした。泣きながらカメラを回したのは生まれて初めてだ。この感情を一人でも多くの人たちと共有できたらいいなあと、今、強く思っている――映画監督 是枝裕和」

シンガーソングライター・Coccoの初のドキュメンタリー映画『大丈夫であるように -Cocco 終らない旅-』が、12月に渋谷・シネマライズ&ライズXほか、全国の劇場にて公開されることが決定した。

1997年のデビューとともに瞬く間にヒットを飛ばし、聴き手の心に迫るヴォーカルと圧倒的なパフォーマンスで一躍日本の音楽シーンに躍り出たCoccoは、2001年に突然音楽活動を休止。音楽活動休止後は、故郷・沖縄にて<ゴミゼロ大作戦>の開催や、ベストセラーとなった絵本を執筆などでその才能と行動力を発揮した。2006年にはソロでの音楽活動を再開し、いまもなお、様々なアーティストに多大なる影響を与え続けている。

本作で監督を務めたのは、映画『誰も知らない』『歩いても 歩いても』など、国内外で高い評価を得ている是枝裕和監督。デビュー10年目の節目に開催された全国ライブツアー、そして地元・沖縄でのCoccoの日常に是枝監督は静かに寄り添い、ひとりのうたうたいの魂の軌跡を映し出した。

歌うことで、なにができるのか? 生きつづけることで、何がうまれるのか? 光を希求するひとりのうたうたいの終わりなき旅の物語が完成した。

映画『大丈夫であるように -Cocco 終らない旅-』
祈り、願い、抱きしめる。孤高のうたうたいが紡ぐ旅の記録ドキュメンタリー。

旅のはじまりは1通の手紙だった――独自の感性と唯一無二の存在感で、熱狂的なファンをもつミュージシャンCocco。沖縄の米軍基地移設予定の海に現れた2頭のジュゴンの姿に喚起された彼女は「ジュゴンの見える丘」を発表。沖縄で生まれた彼女は、歌を通じ、何かを変えていこうとしていた。

そんな折に届いたファンからの手紙。それは核再生処理施設のある青森県・六ケ所村に暮す少女からのものだった。そしてCoccoは北へ向かい、知る。自分と同じ痛みを抱える人が、日本中にはまだたくさんいることを。自分たちも知らずに何かをしてしまっていることを。原爆ドーム、ひめゆりのおばあ達、息子のこと、死ぬこと、生きること…美しいものも醜いものもすべて胸に刻み、唄いながら、祈りながら旅は続いていく。日本中の傷跡に、いつか花が咲くように。みんなの明日と将来と夢が、大丈夫であるように。
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